バスケットボールBリーグ「三遠ネオフェニックス」のシーズンが幕を閉じた。最終成績は36勝24敗で西地区5位。昨季は中地区2連覇を成し遂げ、優勝候補にも挙げられたが、今季は主力に負傷者が相次ぎ苦戦を強いられた。その一方で、若手の奮闘が光る1年となった。
今季の平均得点はリーグ4位の85・9点。個人スタッツでは、デイビッド・ヌワバ選手が平均20・7得点、ヤンテ・メイテン選手が平均7・7リバウンド、大浦颯太選手が平均5・6アシストをマークし、チームを引っ張った。
4月23日の「シーホース三河」戦は、ヌワバ選手が28得点と孤軍奮闘したものの、67対87で敗れ、チャンピオンシップ(CS)進出の可能性が消滅した。大野篤史ヘッドコーチ(HC)は、判断ミスを重ね個で戦ってしまった状況を「すごく残念だった」と振り返った。
今季の三遠は、平均年齢27歳と大幅に若返った。だがこの新体制を主力選手の負傷が襲う。佐々木隆成選手が昨季CSでのけがで12月まで欠場した。攻守の柱のメイテン選手のほか、吉井裕鷹選手、浅井英矢選手らウイング陣にも故障が続出した。この緊急事態にスティーブ・ザック、キャメロン・ジャクソンら外国籍選手と短期契約を結びしのいだが、大野HCは「全員そろったのが数回だけ」と苦笑し、「良い時間帯は素晴らしいが、悪い時間帯に底なしに落ちてしまう」と試合コントロールの難しさを語った。
この状況で若手の出場機会が増えたが、当初は一瞬の判断ミスも目立ち、指揮官から「ヘッドダウンしている」と厳しい言葉も飛んだ。実戦を重ねる中で若手は攻守で着実に成長を見せ始める。根本大選手は、11月のバイウイーク以降、安定した3点シュートや攻守のスピードを武器にシュート力を示すefg%で6割超えを記録。2月7日の「横浜ビー・コルセアーズ」戦では自己最多24得点を挙げた。「こんなものじゃない」と大野HCが期待をかける湧川颯斗選手は2月15日の「千葉ジェッツ」戦で貢献度でチーム最多を記録し、浅井選手も大野HCから「一つのゲームの中でも成長がみられる」と評価されるまでになった。昨季と比較し、1試合平均のスティール数は7・1本から7・7本へと増加。泥臭い守備から攻撃のリズムを作るスタイルで、2月上旬からは12連勝を記録した。2月14日の千葉戦後、大野HCが「ディフェンスからリズムを作れた」と語ったように、レベルアップした若手に主力がかみ合った後半戦では勝率7割超えを果たした。
CS不出場が決まった翌日の三河戦、さらなる負傷者が出る緊急事態でも、チームは結束し73対76と肉薄した。大野HCは「40分間チームのために戦ってくれた。こういうチームであり続けたい」と総括した。今月3日の「名古屋ダイヤモンドドルフィンズ」との最終戦ではクラブ最多記録を更新する5530人が詰めかけた。目標には届かなかったが、逆境で選手らが背負った「責任」と「不死鳥の精神」は、再び頂点へ返り咲くための財産となるだろう。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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