「人一倍、選手たちの動きを観察」 三遠・大野HC、指導哲学や今季終えた心境語る

2026/05/14 00:00(公開)
最終戦であいさつする大野HC
最終戦であいさつする大野HC

 プロバスケットボールBリーグ「三遠ネオフェニックス」の大野篤史ヘッドコーチ(HC)が、2025~26シーズンを終えた心境を語った。主力にけがが相次ぎチャンピオンシップ(CS)進出を逃したが、後半戦の快進撃でブースターを熱狂させた。

 

 最終成績は36勝24敗で西地区5位。主将の佐々木隆成選手らの離脱など主力の負傷が相次ぎ序盤は苦戦したが、2月上旬から12連勝を記録するなど後半戦は勝率7割超えとなった。ホーム最終戦にはクラブ最多の5530人が詰めかけた。大野HCはその光景に「消化ゲームの状況でも多くの方に来てもらえることは、本当に幸せなこと。コーチングスタッフやプレーヤーは、より大きな責任を担わなければならない」と表情を引き締めた。

 

苦境で輝いた若手たち 飛躍の裏に指揮官の「言葉」

 

 この重責を力に変え、息を吹き返したのが成長著しい若手たちだ。指揮官は、11月9日の「琉球ゴールデンキングス」戦で苦しんでいた根本大選手に「失うものは何もない」と声を掛けた結果、3点シュート3本を含む13得点を挙げる活躍を見せた。根本選手も「覚悟が決まった」と攻守でのブレークにつなげた。また、2日の「名古屋ダイヤモンドドルフィンズ」戦で後半のミスを引きずる湧川颯斗選手には、ハーフタイムに「もっと自信のある顔をしてプレーしなさい」と言葉を贈り、積極的なアタックで反撃の起点となった。

 

 だが苦悩もある。先発で37試合に出場した湧川選手には「期待はしているからこそ我慢して使っている。彼にどういう言葉をかけたらいいのか、ずっと悩み続けて今も答えが出ないなと思うこともたくさんある。持っているものは素晴らしいので、それをどうコートで表現するか。彼は『メインプレーヤーになって、五輪に行きたい』と言っているが、コートで見せる姿を変えていかない限り到達できない。隆成が1年目から2年目にかけて変わっていった時の姿に似ているなと思うが、そこで一皮むけるかどうかは彼のバスケット観や考え方次第。今のマインドを変えて、メインプレイヤーになってほしい」と語った。  

 

 自身の指導哲学については「僕はあまりコミュニケーションを取らない方だが、その代わり人一倍、選手たちの動きを観察している。ワークアウトの時の姿勢や練習中の態度、モチベーションをしっかり見ていれば、今何に困っているのかが見えてくる」。だが「自分の息子も21歳になるが、息子のことすら分からないのに選手のことが完璧に分かるはずもない(笑)ジェネレーションギャップを感じながらも、彼らにいい影響を与えられるよう努力している」と苦労も明かした。 

 

永続的に応援してもらえるチームを

 

 来季は新リーグBプレミアが始まるが、チームの行く先について「規模が大きくなっても、何も結果が出ていなかった頃からずっと支えてくれた人たちを大切に、地域に根ざしたチームでありたい。支えてくれる人たちに恩返しをして、その輪を大きくしていきたい」と語る。続けて、チームの育成と文化について「僕らはこのチームを一からつくり直してきた。『プロとは』『仕事とは』というところから話せる真っ白な子の方が、やりやすいと感じる。『このチームに来れば成長できる』という環境をつくること自体が一つの魅力になる。このチームに来てキャリアアップできると感じてくれる若い子たちが増えていけば、チームも常に成長できる。お金を集めて一気に良い選手を獲得して勝とうと思うことももちろん大事だが、僕は永続的に応援してもらえる、常に勝つチャンスのあるチームをつくりたい」と結んだ。

選手たち
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北川壱暉

 1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。

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