豊橋中央高校出身で、プロ野球「読売ジャイアンツ」の育成ドラフト3位の松井蓮太朗捕手(19)が3軍で懸命に汗を流している。これまで18試合中16試合に出場し、13日現在で6打点を記録している。その活躍を支えているのは、両親からの手紙と勝負飯だった。
上京の2日前、母裕佳子さんは門出を祝い、大好物のマッシュルーム入りハンバーグを振る舞った。裕佳子さんは「昔から記念日や勝負前によく出している」と明かした。松井選手も「すごくおいしかった。勝負前に食べると元気になる」と笑顔を見せる。
寮へと向かう浜松駅の構内で新幹線に乗る数分前、松井は両親からサプライズで2通の手紙を受け取った。車窓越しに家族へ手を振り、駅を離れるとすぐに封を切った。裕佳子さんの手紙には「蓮太朗の野球をしている姿が一番好き」という言葉とともに、中心打者として活躍していた小学生時代のチームの監督から「10年に1人の逸材。本当に産んでくれてありがとう」と言われた当時の秘話が記されていた。この新事実に、松井選手は「すごくうれしくて、顔が赤くなった」と照れ笑いを浮かべた。父満輝さんからは「プロに行っても自分らしく頑張れ」と背中を押された。揺れる車内で涙をこらえて読んだ手紙は、今も寮の自室に大切にしまわれている。
これまでの野球人生は逆境の連続だった。中学時代は控えも経験し、高校2年夏はけがで途中欠場。悔しさを糧に、翌年は正捕手として創部28年で初の甲子園出場を勝ち取った。「きついことが多かったが、その経験があったからプロに挑戦できている」と言い切る。
プロの壁に直面する日々だが、忘れられない時間があった。1月の自主トレ中、練習に来ていた田中将大投手が探していたキャッチボール相手を務めた。構えた位置からボール半分も狂わない制球力に加え、手元でホップしながら変化するツーシームに「真っ直ぐだと思ったら絶対に捕れない」と衝撃を受けた。超一流のすごみを肌で感じた経験は、今も大きな財産だ。
現在はキャンプを終え、主に3軍戦に出場しながら技術を磨いている。「腕だけで捕る癖があったが、市川友也3軍バッテリーコーチから足の使い方を教えてもらい、最近は捕球が安定してきた」と基礎をたたき込まれている。入寮時に目立った線の細さも「巨人の捕手陣の中では小柄。このままでは戦えない」という危機感から、自主トレ時間を返上して1時間以上体を追い込んだ。その結果、飛距離が向上し、逆方向への打球も伸びるようになった。「まずは1シーズン、けがをしない体作りをし、基礎を固めて2年目から上へ挑戦したい」と意気込みを語った。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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