安久美神戸神明社所蔵の「勝糸威腹巻具足」が豊橋市有形文化財に指定

2025/04/03 00:00(公開)
市有形文化財指定を受けた勝糸威腹巻具足(提供)

 豊橋市の安久美神戸神明社の所蔵品で、室町時代の古い具足を江戸時代に改修したと考えられる「勝糸威腹巻具足(かちいとおどしはらまきぐそく)」と、そのよろい立てや箱など付属品4点が市有形文化財(工芸品)に指定された。豊橋市で具足の指定は初。

 

 吉田藩主だった大河内松平家から1929年に神明社に奉納された。主要部位の胴や袖、かぶとは室町時代末期頃の古いものを再利用し、改修したと推測されている。

 

 大名家の具足として品位や威厳などを兼ね備えた優美なもので、全体を勝色(黒に近い藍色)の糸や革でつづり合わせ、黒うるし塗りを主体とした落ち着きのある姿になっている。金具に施された装飾など素晴らしい点が多い。収納箱である鎧櫃(よろいびつ)やよろい立てが一括して残っているのも貴重という。

 

 2020年8月の市美術博物館の企画展「吉田城と三河吉田藩」で展示された。その際の縁で公益社団法人「日本甲冑(かっちゅう)武具研究保存会」東海支部(西尾市)に調査を依頼。今年3月26日の教育委員会定例会で文化財指定を受けた。

 

 12日から市美術博物館で一般公開する。6月8日まで。担当学芸員は「東三河でも大名家に伝来したよろいは珍しい。この機会にぜひ見てほしい」と話す。

木製の鎧櫃(同)
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岸侑輝

 1988年生まれ。三重県津市出身。
 地元で数年間地域紙の記者を務めた後、某ゲーム会社で企画の仕事などを経験。新型コロナウイルス禍で紆余曲折あって豊橋市で再び地域紙の記者に。地域の人に地域の良いニュースを伝えたい。
 趣味は一口に言うとゲーム。著名なタイトルをすべて網羅しているわけではないが、コンシューマーはファミコン時代から「ドラゴンクエスト」などを親しんでいる。ジャンルは問わず、環境としてはオンライン、カード、ボード、テーブルトークなど手広くプレーしている。
 好きなものは甘いもの。犬派。写真は実家の猫。

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