任期満了に伴う豊橋市長選(10日投開票)の選挙運動期間は8日と9日だけになった。立候補しているのは届け出順に近藤喜典氏(45)、浅井由崇氏(46)、長坂尚登氏(41)、蔵地雅彦氏(65)。勝負の行方を左右する投票率は、主要3陣営では前回並みの43%前後を見込む。過去30年余りで50%を超えたことは一度もなく、低下傾向を危ぶむ声も多い。
3人が立候補した2020年の市長選は、4選を目指す現職と新人による事実上の一騎打ちとなった。保守系支持者のねじれなどもあり、批判票を取り込んだ新人が予想を上回る得票で大勝した。
投票率の推移をみると20年の市長選は43.14%(前回比13・32ポイント増)、その前の16年が29.82(同11・34ポイント減)だった。16年は選挙権年齢が18歳に引き下げられた初の選挙にもかかわらず過去最低を記録。平成以降は30~40%台にとどまる。
50%超は過去8回で平成以前の1970~80年代までさかのぼる。青木茂氏(在任73~83年)が3選を目指した83年の選挙では新旧交代を懸けて大接戦を演じ、投票率も82.29%でピークを記録した。
4日に始まった期日前投票の動向にも注目が集まる。市選挙管理委員会によると6日までの期日前投票者数は移動投票所を含め4470人。4年前の9298人を大幅に下回り、序盤から出足が鈍っている。
期日前投票は毎回、週末までの後半に増える傾向だが、今回は直前に衆院選がある過密スケジュールの影響も心配されている。市選管から有権者宅へ郵送する「選挙のお知らせ」の印刷作業はその影響で遅れ、振替休日の影響で発送が5日以降となった。
選管は、お知らせが手元になくても投票はできると周知しているが「投票はできないと勘違いする人も中にはいる。さらなる投票率低下へつながらなければいいが」と影響を心配する。
各陣営関係者らによると今回選挙の投票率について、多くが前回並みの40%台にとどまるものととみている。組織戦で票を固める一方、SNSなどで過去に投票へ行かなかった新たな有権者の掘り起こしを図る陣営もある。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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