キャンピングカー製造販売のケイワークス(豊橋市下地町)は2022年12月期決算の売上高で20億円を達成した。業界有数の企業に育った。洗練されたインテリアデザインと高品質なバッテリーを売りに、ファミリーやシニア層らの支持を広げた。今後は、東三河での認知度の向上や防災拠点としての役割の強化に取り組みたい考えだ。
黒田功社長(54)は、20歳から中古外車店の営業職として活躍。1998年に独立して創業した。当時は、豊川市国府町で中古車や外車を販売していた。だが2000年代後半、東三河に大手中古車屋が進出。業界の競争も激化した。「撤退するか、キャンピングカーに挑戦するかの二択だった」と黒田社長。09年、強い覚悟で新規事業に挑戦した。
この決断ができたのはバイクレーサーの経験から。20代はレースに熱中。バイクを車に載せてサーキットを転戦し、車中泊していた体験がある。寝泊りできる車に需要があると考えた。
勝算はあった。「インテリアデザインが時代遅れで、競争相手も少なかった。これまで数多くの外車のデザインに触れており、トレンド研究には自信があった。1位になれると思った」と語る。その言葉通り、10年代の「アウトドアブーム」に乗って業績を伸ばした。
コンセプトは「普段から使える、職人の作ったぬくもりのあるキャンピングカー」。安売りはせず、その価値観に共感した人に優れた品質の商品を届ける。このスタイルは変わらない。インテリアは豊橋の職人による手作り。地元企業と連携し、客の要望に合わせて制作する。
また、自社開発したバッテリーは国内初のリチウムイオン化に成功。従来の鉛電池と比べ高出力と長寿命化を実現した。普段使いできるのもポイント。車高2・1㍍以下の車両が中心で。立体駐車場の高さ制限に引っかかる心配もない。
直近のテーマは「地元回帰」。20年に名古屋に展示場を構え、全国各地に代理店を置くなど急成長している。そしてこれまでの路線に加え、「東三河での認知度を高めたい」と話した。
さらに、防災拠点としての役割も強める。3月に「道の駅とよはし」で開催された防災啓発イベントに出展した。黒田社長は「行政と連携して、災害の際に事務所やキャンピングカーを避難所に活用したい」と語った。、
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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