豊橋市が28日の市議会本会議へ提出した次期副市長人事案を巡り、市が議会の議決前に、外部の人に対し就任あいさつのためのアポイントを公式に入れていたことが判明した。星野隆輝氏(まちフォーラム)の質疑で明らになった。長坂尚登市長は「組織の行動として不適切だった」と謝罪した。このため、人事案は賛成少数で不同意となった。4月1日現在で副市長は1人となる見通し。
次期副市長とされていたのは稲田浩三氏(63)。市の元総務部長で、現在は東三河広域連合事務局長。3月末で任期満了となる杉浦康夫副市長(67)の後任として、今月4日付で人事案が発表された。
星野氏は質疑で、人事案の発表後に市秘書課から稲田氏の就任あいさつの日程調整のため、地元選出の国会議員ら複数の政財界関係者にアポイントを入れたと指摘。「今定例会で可決した問責決議では議会軽視を問題視した。今回の人事案での対応も同様に見過ごせない」として、任命権者の長坂市長の認識をただした。
長坂市長は、質疑で事前のアポ入れについて「不承知だった」と答弁。そのうえで「私が議員だったら同じ質問をしたと思う。組織の動きとして不適切であり、謝りたい。職員への周知徹底に努めたい」と謝罪した。閉会後の取材に「議会の同意を受けるまで人事は分からない。可決前提で動いてしまったことに反省している」と述べた。
角野洋子企画部長によると、アポ入れした職員は「次期副市長の人事案が議会で同意されるのが前提」と断ったうえで訪問先に伝えたという。
同市の副市長は市の元職員と、国土交通省の出身者を充てる人事が長く続いている。議会事務局によると、副市長制度ができた2007年度以降で人事案が不同意とされたケースは初。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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