夜の豊橋市前田南地区体育館。威勢のいい掛け声とドリブルの音をリズミカルに響かせているのが中学生バスケットボールチーム「F・M・J」だ。来年1月に控える「ジュニアウインターカップ」に向け、汗を流している。
メンバーは豊橋、豊川、蒲郡、岡崎などの中学1年から3年までの計47人。週5日、体育館で練習する。設立は2017年。代表の深見謙コーチが、地域の子どもから「バスケチームがほしい」と頼まれ設立した。深見コーチは、社会人までプレーしていたが、指導は全くの別物。「僕らよりもうまい。その子たちをどうしたら勝たせられるのか悩むこともある」と話す。だがすでに全国大会に3回出場し、23年にはベスト16に輝いた。
強さの秘密は、子どもたちに考えさせる練習だ。例えば3対3のゲーム形式の練習では、攻撃の指示を出さず、選手同士で組み立てを話し合っていた。「試合でプレーするのは選手。知識は教えるが、それをどう使うかは選手次第。勝負の場面で生きる」と話す。
個人技に頼るバスケではなく「泥臭く最後までボールを捕りに行き、声を出してチームで守って走って突破口を開けるスタイル」と深見コーチは話す。それを支えるのが地道な基礎練習だ。体幹トレーニングの一環で前かがみになってボールをドリブルしたり、ペアでパスをつないで走ったり、攻守で使うステップを繰り返したり。「シュートやドリブルなど楽しい練習は自分たちでもできるけれど、基礎練をストイックにやれる子は多くない」と真意を語る。
全国大会には、秋の県予選優勝が条件だ。その鍵となるのが、主将の永井志龍さん(南稜3年)とエースの平松颯さん(同)。2人は小学校のクラブチームが同じ。永井さんは「勝ちにこだわってやり切りたい」と話し、平松さんは「伸び伸びプレーさせてもらえるが、練習はさぼるのを許されない。大会では絶対に勝ちたい」と意気込んだ。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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