「第１０７回全国高校野球選手権大会」が５日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕した。初出場の豊橋中央など全国の代表49校が開会式で入場行進し、深紅の大優勝旗を懸けた熱戦が始まった。

　暑さ対策のため、史上初めて午後４時からの開会式となった。戦後80年を迎えるため、１９４６年大会で優勝した大体大浪商（当時の浪華商）の安田智樹選手が先導役。昨年優勝の京都国際を先頭に、旭川志峯から沖縄尚学まで、代表校が北から南の順に登場。初出場となる豊橋中央ナインは砂田隆晴主将を先頭に、新調したユニホームで腕と脚を元気よく上げ、堂々と入場した。引き締まった表情で憧れの舞台の土を踏みしめた。

　選手宣誓では、智弁和歌山の山田希翔主将が「自然環境や社会状況が変わりゆく中で、高校野球のあり方が問われています。しかし、その魅力は変わりません。ここ甲子園で思う存分野球ができることに感謝し、勇気を持て全力でプレーすることを誓います」などと堂々と声を上げた。始球式は中京大中京高３年生で、女子軟式野球部に所属する森本愛華さんが務めた。その後、開幕カードが始まり、創成館（長崎）と小松大谷（石川）が対戦した。

　豊橋中央は、大会第６日目第４試合（順調にいけば10日午後６時45分開始）で日大三（西東京）と戦う。砂田主将は「下から突き上げる気概で一戦必勝で戦いたい」と意気込んだ。

　今大会は、日中の最も暑い時間帯の試合を避ける「朝夕２部制」を昨年の３日間から拡大し、第１～６日まで実施される。試合前のノックを７分から５分に短縮し、しないことも選択できるようになるなど、猛暑へのさまざまな対策が取られている。

　朝日新聞によると、スタンドの対策も進める。主に学校応援団の生徒向けに、一、三塁側アルプス席そばに空調が効いた応援団臨時休憩所を設ける。今年から新たにダクトクーラーを導入する。待機する学校応援団のためにアルプス席の入場門前に日よけテントやミスト扇風機などを置く。