【夏の甲子園’25】聖隷クリストファー谷口理一選手 打者転向で勝負強さ開花 豊川出身

2025/08/15 00:00(公開)
主軸としてチームを引っ張る谷口選手=神戸市北区で

 「第107回全国高校野球選手権」で愛知代表の豊橋中央は姿を消したが、東三河ゆかりの選手はまだ甲子園で戦っている。その一人が、静岡代表の聖隷クリストファーの谷口理一選手だ。勝負強さと長打力を武器に、初めての夏に挑んでいる。

 

 春夏通じて甲子園初出場となった同校は、第5日の初戦で明秀日立(茨城)を5対1で破り、甲子園初勝利を飾った。主戦の高部陸選手が4安打1失点で完投。打線は初回に先制すると、六回に勝ち越し、八回には3点を加えて突き放した。

 

 三塁手として出場した谷口選手は豊川中央ボーイズ出身。先輩に誘われ同校に入学した。当初は投手だったが、1年秋に右ひじを痛めた。「目の前が真っ黒になった」と回想する。その後、地道なリハビリを重ね、昨夏は投手としてベンチ入り。決勝で掛川西に敗れ甲子園を逃した。

 

 新チームでは、得意の打撃力を買われて野手に転向。「未練はあったが、とにかく甲子園に行くんだという気持ちが強かった」と谷口選手。すぐにレギュラーをつかんだが、春は手首を痛め県大会の出場はかなわなかった。「チームに迷惑をかけてしまった。夏は絶対に優勝させる」と誓い、大会後からはスイングスピードの強化のために、1日1000本の素振りを欠かさなかった。県大会ではチーム最多の7打点と勝負強い打撃が開花。決勝の静岡戦では初回に先制点となる2点適時三塁打を放ち、初の甲子園出場に大きく貢献した。

 

 甲子園初戦は谷口選手の小技が光った。八回1死一、三塁から、初球スクイズを一発で決め、流れを呼び込んた。内角高めの球を一塁線へ転がし、「普段から犠打は徹底して練習している。試合で決められれたのは収穫」と胸を張った。朝のキャッチボール後に場面や球種に応じた犠打練習を1時間するのが日課。「小技を絡めて1点を取っていく聖隷の野球ができた」と笑顔を見せた。

 

 憧れの舞台は「観客の多さや景色が今までと桁違い」と振り返る。三回には「緊張してしまった」と一塁に悪送球し、同点のきっかけをつくった。三塁守備は得意ではないが「泥臭く足をしっかり運んで落ち着いて送球することを心がけたい」と話す。目標は一戦必勝。「甲子園で活躍するためにやってきた。思い切りやります」と力を込めた。

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北川壱暉

 1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。

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