「第107回全国高校野球選手権大会」は11日、大会第6日が行われ、第4試合に春夏通じて甲子園初出場の豊橋中央が登場。日大三(西東京)と対戦し、最後まで粘ったが2対3で敗れ、1勝はならなかった。
▽2回戦
○…甲子園…○
豊橋中央(愛知)
000002000|2
00200001×|3
日大三(西東京)
(豊)髙橋-松井(日)近藤-竹中
【本】田中(日)
雨の中の一戦となった。2本の二塁打などで日大三に点を先制された豊橋中央は六回1死二、三塁から代打の小原が放った左前の低い打球が敵失を誘い、松井と中立がかえって同点に追いついた。七回には近藤、成瀬の連続左前打に加え、故意四球で2死満塁。中立がフルカウントまで粘ったが、内野ゴロに倒れて逆転できなかった。八回、髙橋が先頭打者の田中に3球目を左翼席に運ばれ、勝ち越しを許した。最後の攻撃の九回は三者凡退し、あと一歩及ばなかった。日大三の4安打に対し豊橋中央は8安打とよく打ったが、打線がつながらなかった。
萩本将光監督は「良い試合の入り方ができたし、雨も気にならなかった。ただ、打とうという気持ちが強くてボール球に手を出したり、差し込まれたりしていた。本当に悔しい。それが一番」と振り返った。
砂田隆晴主将は「『萩本監督を勝たせよう。1勝しよう』と仲間と話していた。目の前の1勝を取れ切れず、本当に悔しい。自分たちらしさを出せなかった」と声を詰まらせた。
先発の髙橋は、最速145㌔の直球を軸に、8回122球の熱投で4安打3失点と試合をつくったが、一発に泣いた。八回、先頭打者に真ん中の138㌔直球を左翼席に運ばれ、勝ち越しを許した。「信じて真っすぐを投げたが、(本塁打を打たれた球は)球威がなかった。内角に投げたら打たれてしまうことはしっかり考えたら分かるが、そこに投げてしまった自分が悪い」と涙をこらえた。
それでも、会場のファンを沸かせた。二回にはチーム2本目となる右前安打を放って、チャンスメーク。五回2死一、二塁のピンチには、アントニオ猪木さんをまねしたアゴを突き出す表情をし、相手打者を二飛に打ち取った。「あの表情は気持ちが入って、自然と出た。自分たちが楽しんで、観客を楽しませるプレーができたと思う。それが誇り」と胸を張った。
今後については「大学に行って結果を残してプロのステージに行きたい。ずっと人を楽しまることが好きだったので、楽しい野球がやりたい」と大学進学を表明した。
応援席には、愛知大会決勝で対戦した東邦のマーチングバンド部とチアリーディングバトントワリング部の約80人が「友情応援」に駆けつけた。豊橋中央の応援団員とともに、髙橋の打席時にはアントニオ猪木さんのテーマ曲「炎のファイター」、初回や最終回などには東邦の名物応援歌「戦闘開始」を奏で、選手たちを後押しした。
マーチングバンド部の三冨彩名部長(3年)は「初めはいろいろな気持ちはあったが、練習すればするほど気持ちが高まっていった。豊橋中央の皆さんと戦う気持ちで演奏した」と話した。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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