新城市乗本の住民有志が、県の無形民俗文化財「乗本万灯」で使うわらの調達を目指し、麦の試験栽培に取り組んだ。わらは15日夜の本番で使うほか、麦芽から試作したクラフトビールを現地で飲んでもらい、アンケート調査する。
盆の伝統行事。精霊送りと悪霊払いのために、万灯と呼ばれる円すい形に束ねた麦わらに火をつけ、縄を持って振り回す。毎年8月15日夜に地元の万灯山で執り行われる。1965年に県指定無形民俗文化財となった。
地元の本久区の住民4人が2024年度に「乗本万灯の麦を作る会」を立ち上げ、栽培を始めた。約700平方㍍の畑に昨年11月に種をまいた。わら束15個分を確保した。刈谷市の醸造所に小麦25㌔を持ち込んでクラフトビールとした。ラベルは地元の学生がデザインし、文字はスエヒロ産業会長の安形憲二さんが揮ごうした。
13日には下江洋行市長に活動を報告した。万灯に携わる柿原清幸さん(68)は「シカの被害に遭ったり、不作となったりしたため麦の確保が心配される。伝統行事のPRを兼ねて今後も続けたい」と話した。15日午後7時半から本久集会所で配る。
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浜松市出身。大学卒業後、母親の実家があった豊橋市に住む。スポーツを皮切りに、蒲郡市政担当15年を経て現在新城市と北設楽郡を担当する。映画ロケの炊き出しからご当地グルメとなった「ガマゴリうどん」など、まちぐるみで取り組む姿を取材するのが好き。
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