愛知大学出身で中日ドラゴンズの祖父江大輔投手(37)が、11日の楽天イーグルス戦で八回に4番手で登板し、プロ通算500試合登板を達成した。プロ野球112人目で、愛大では岩瀬仁紀さん(50)に続き2人目。大学時代に野球部監督として祖父江投手を指導した八田剛さん(53)に思い出を聞いた。
祖父江投手は知人の紹介で愛大に入学。当時は遊撃手だったが、八田さんは「お世辞にも守備はうまくなかった」と笑う。一方で「肩は強いし走力は高かった。鍛えようでは面白くなりそうだと感じていた」と言う。
転向のきっかけは、チームの投手不足。同年代に投手は2~3人で、野手の中から誰か投げてくれないかと声を掛けた。真っ先に手を挙げたのが祖父江投手だった。適性を見極めようとブルペンで投げるように指示すると、130㌔台後半を連発。八田さんは「これならいける」と転向を認めた。
八田さんはかつて、強豪の社会人チームで中心投手として活躍した。投球術を惜しみなく教えた。祖父江投手に伝えたのは直球の使い分けだ。「カウントを取る、空振りさせる、打たせて取る、目的によって投げ分けれるように」と指示した。「大輔は不器用で変化球を覚えさせると混乱するし、投球はまずは直球から、という思いがあった」と振り返る。
だがその後は少し伸び悩んでいると感じた。それが3年生の時の社会人チームとの練習試合で敗北したのをきっかけに「目の色が変わった。プロを意識し始めたのもその頃では」と推察する。4年生で、赤田龍一郎さん(元中日)との黄金バッテリーで活躍。春季リーグで6勝、防御率0点台でチームの完全勝利に貢献。5季ぶりの1部復帰に導き、大学日本代表候補に選ばれた。
卒業後はトヨタ自動車に入社。2013年、ドラフト5位で中日に入団した。プロでは鋭い眼光と、球の切れを武器に1年目から54試合に登板、7年目の20年には30ホールドポイントで最優秀中継ぎ投手に選ばれた。
12年目での500登板達成に八田さんは「体が強かったからここまでやれた。ここを通過点に、岩瀬を目標に頑張って」とエールを送った。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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