事業継続か中止に揺れる豊橋公園の新アリーナを巡り、豊橋市議会の有志が開いた住民向け説明会は3月29日で全日程を終えた。計画の賛否に関わらず「説明不足」が指摘される中、限られた情報で市民の疑問に答える姿勢は参加者から一定の評価を得た。長坂尚登市長は中止の方針だが、住民投票の結果には尊重の考えを見せる。計画中止に伴う影響は依然不透明だが、今後は説明を求める声も高まりそうだ。
市民向け説明会は自民、公明、まちフォーラム、とよはしみんなの議会の4会派が3月8日から、開催地区を変えて月内に計6回開いた。いずれも報道を除き、初回の市総合体育館で最多の168人が参加。会場は室外に人があふれ、延べ812人が聴講に訪れた。
前半の約40分で新アリーナと公園東側エリアの整備事業について現計画を説明。総事業費や30年間の維持管理コストなどのほか、防災や地域活性化などアリーナに求める機能を紹介した。計画解除の影響なども併せて示した。
後半の質疑では、毎回約15人が疑問点を投げ掛けた。JA豊橋石巻支店で29日にあった最終回に出席した70代男性は「計画の継続と中止の両面で想定される利点と欠点を知りたかった。解約時の補償額が不明なので、市長には可能な限り関連情報を開示してほしい」などと期待した。
自民の山本賢太郎氏によると、もっとも多かった質問は事業契約の解除に伴う損失補償や賠償額などの影響だ。次いで公園内の駐車場に関するものなどがあった。情報不足などで会場で即答できなかった質問には、市への確認などを経てホームページで可能な限り回答することにしている。山本氏は「今後は説明会は開けなくても、ホームページを通じた新たな情報発信も前向きに考えたい」と意欲を見せる。
事業契約の解除に伴う影響については解約可能とする市側の認識と、解約事由が存在しないとする事業者との間に認識の隔たりがある。
1日の定例記者会見の質疑では、新アリーナ関連事業について市側の説明が話題に上った。前市長時代に市民へ十分な説明があったかについて長坂市長は不十分だったとの認識を示した。
この状況を踏まえ、契約解除を掲げる長坂市長も、現計画について市民の認識を高めた上で解約の影響などを説明する必要性を問われた。
長坂市長は、現計画は事業推進の流れで昨年9月の契約締結に至った点を踏まえ、契約までの過程を問題視したことで市長選に当選した経緯を説明。そのうえで、契約解除に伴うデメリットなどを市民に説明する必要性について現段階ではないとの考えを示した。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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