【連載】「剣理人倫 我外皆師」〈35〉「卒団式を行いました」

2025/04/05 00:00(公開)

 先日道場にて卒団式を行いました。これは毎年6年生を送る会として実施しています。お祝い事ですが私には感涙にむせぶ寂しい日でもあります。

 

 当日はみんなで風船割り決戦をしてから稽古、最後は記念品を後輩から卒団生に渡します。それぞれが思い出を語り感謝の言葉を述べます。在籍期間の長い生徒は小学校低学年から指導しています。「三つ心、六つ躾、九つ言葉、十二文、十五理で末決まる」の言葉どおり家庭で大切に育てられ、学校では授業を受けます。

 

 道場では早い子で6歳から中学生だと15歳まで剣道を習います。全ては日々の習慣が大事ですので、剣の技術だけでなく人間形成の道となるよう理法に従い修練を積みます。今まで試合が勝負でなく毎日の積み重ねが勝負だと厳しく指導しました。夏の暑さに閉口し冬の寒さに震えながら常に一緒に稽古をしてきました。剣道具の扱いも丁寧に、着装や身だしなみも注意してきました。今のうちから「できるかできないか」ではなく「やるかやらないか」で考えて行動してほしいと言ってきました。

 

 勝利に喜び敗北に悲観し、合宿ではみんなで楽しくゲームやカレーライスを作りました。特にこの1年は多くの試合や練習試合に参加し、情報誌やラジオの取材も受けました。あとで振り返った時に思い出がたくさんあることは充実していた証明ですね。

 

 最後私は卒団生一人ひとりと稽古をします。数分の間、竹刀を交えながら入団して初めて剣道具をつけた時、悔し涙を目にいっぱいためて打ち込んできた頃、試合や審査で勝利や合格の嬉しさに満面の笑顔を見せてくれた時を思い出しながら真剣勝負をします。成長した生徒が一本をとるために全力で向かってくるのは感無量です。コロナの感染拡大防止の外出自粛期間中、稽古ができない我慢をし仲間の大切さを知り、普通のことが当たり前でないことを学んだと思います。自立した魅力ある大人に、そして可能性の未来にむけて羽ばたいてほしいと心から願っています。

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