豊川・佐奈川の「ど根性ひまわり」 大雨でも流されず

2017/07/11 00:01(公開)
杭に固定されて立ち、元気に大輪を咲かせるヒマワリと船井さん=佐奈川の堤防で
 犠牲者が20人を超えた九州北部豪雨。日本中が改めて自然災害の脅威に直面する中、豊川市で“奇跡”が起きた。先月21日の大雨で、佐奈川の堤防に咲いていた「ど根性ひまわり」が濁流にのみ込まれたが、大半が流されず、今再び元気に大輪の花を咲かせている。
 東日本大震災の被災地・宮城県石巻市でがれきの中から咲いたヒマワリの種を日本全国にまき、花を咲かせる「ど根性ひまわりプロジェクト」。東三河の小中学校などで普及活動を行う船井雅明さん(59)が5月、イオン豊川店近くの佐奈川の堤防に100本以上のヒマワリを植えた。
 6月21日、東三河は豪雨に見舞われ、豊川市でも音羽川流域に避難準備情報などを発令。中心部を流れる佐奈川でも水位が上昇し、ヒマワリが茶色の濁流にのみ込まれた。水位が下がり始めた夕方、船井さんが駆け付けると目を疑った。ヒマワリは押し倒されて泥だらけだったが、大半が流されず、そこに残っていた。「全部流されて跡形もないとあきらめていた。数時間も水圧に耐えたんだと思うと、根性のあるヒマワリだと感じた。その姿は、頑張って命をつなごうとしているように見えた」。
 翌朝、親交のある菅沼建築の協力で長さ1㍍以上の木の杭(くい)を100本用意。泥まみれのつぼみや葉を洗いながら、倒れたヒマワリを1本ずつ起こし、杭に固定して立たせた。約3週間経った今、枯れてしまったものもあるが、大雨当時のつぼみが小さな花を咲かせているヒマワリもあり、濁流にのみ込まれたとは思えない力強い姿を見せている。
 「土手を歩く方からも声を掛けてくれる。ヒマワリは絆をつくってくれる花だ」と船井さん。
 大切な人を失っても、我が家が流されても、必ず立ち直れるよ―。そう語るように、ヒマワリは青空を見上げている。
(由本裕貴)
大雨で水位が上昇し、濁流で押し倒されたヒマワリ(6月21日、船井さん撮影)
大雨から約3週間、小さな花を咲かせたヒマワリ=同
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