江戸時代中後期に出版界で活躍し、喜多川歌麿や東洲斎写楽ら文化人を支えた版元の蔦屋重三郎(1750~98年)に関する資料展「蔦屋重三郎と東三河の読書熱」が、豊橋市中央図書館で14日から始まった。来年のNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」にちなむ企画。2月2日まで。
老中田沼意次による経済政策でさまざまな江戸文化が花開く中、吉原の案内書「吉原細見」の卸しや小売を扱う本屋からスタートした重三郎は、細見の制作や刊行に大きな役目を果たしながら版元としての地位を固めていった。
芸術をたしなむ武士らとの文化人との交流も盛んで、天明の狂歌ブームの際は自らも「蔦唐丸」の狂名で狂歌師を集めた舟遊びなども企画。その場で詠まれた歌を書籍化するなどした。学術書や浮世絵などの出版にも携わり、出版業界全体を盛り上げた。
重三郎が関わった本などの出版物を中心に68件、関連書籍43件を展示。曲亭馬琴の「三七全伝南柯夢」や十返舎一九の「東海道中膝栗毛」など、重三郎と親交のあった人物の作品もある。
記念フォーラムが来年1月26日午後2時から開かれる。講師は中央大学の鈴木俊幸教授と名古屋大学の塩村耕名誉教授。定員80人。申し込みは市中央図書館(0532・31・3131)へ。1月10日までに申し込む。結果は同15日に落選者のみに連絡する。
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