元豊橋技術科学大学学長の榊佳之さんを招く「第7回カフェ」が25日、豊橋市松葉町の市民センターで開かれた。今回のテーマは「コロナから学ぶ『人類とウイルスの終わりなき戦い」。約50人が聴き入った。
榊さんは、人類が苦しめられてきたペストや天然痘、小児麻痺、結核などの感染症を紹介。顕微鏡の開発が細菌学やウイルス学を発展させ、病原体の発見と検出、治療薬や予防薬の開発に至った歴史を語った。結核はBCGワクチンによる重症化予防とストレプトマイシンによる治療で「制圧」されている。
そして2019年に中国で報告されたことに始まる新型コロナウイルス禍の5年間を振り返った。コロナウイルスはどのように増殖するのか、感染防止対策と特効薬開発の失敗、そして主流となったmRNAワクチンの開発史を語った。榊さんは「コロナ禍で急に生まれた技術ではなく、研究は1984年に始まっている」と説明。2005年に米ペンシルバニア大学のカタリン・カリコ博士とドリュー・ワイスマン博士が基礎技術を開発、世界の製薬会社が研究を続けていた。極めて短期間でコロナワクチンが開発できたのはこのためだ。
榊さんは「研究者の地道な努力が世界を救った」と述べる一方、「パンデミックへの脅威は消えていない」とし、ワクチン排除論のリスク、米国がWHO(世界保健機関)を脱退しようとしている愚かさを説いた。
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1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。
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