特別展「銅鐸の国-伊奈銅鐸出土100年」が11月30日、豊橋市美術博物館で始まった。1924年に旧小坂井村伊奈の麦畑(現豊橋市立前芝中学校校庭)から出土した三つの「伊奈銅鐸」の100周年をきっかけに、三遠地方の弥生時代と銅鐸を考える。2月2日まで。
銅鐸は主に弥生時代に中国から伝わって日本で作られ、農耕に関する祭事で使われたと考えられている。青銅製で、大きさは約10㌢から1㍍を超えるものなどさまざま。
弥生時代前期には小さいものが多く、ひもなどでつり下げて鳴らしていた「聞く銅鐸」だったが、弥生時代後期に向かうにつれ大型化し、飾りもきらびやかで複雑になるなど「見る銅鐸」に変わっていったという。銅鏡が重用される古墳時代になると、姿を消してしまう。
伊奈1~3号銅鐸をはじめ、1792年に旧渥美郡神戸村(現田原市神戸町)の谷ノ口ため池から出土した谷ノ口銅鐸の図や破片、1984年に豊川市御津町出土の豊沢銅鐸など、さまざまな銅鐸や関連資料計103件をそれぞれどのように使われたか、社会的にどんな役割を果たしていたのか、なぜ埋められたのかなどの解説とともに展示している。弥生土器や、当時に使われた木造品もある。
この日は奈良国立博物館の井上洋一館長による記念講演会「東アジアの青銅器文化と『銅鐸の国』」があり、80人が耳を傾けた。
関連イベントとして「第7回とよはしシンポジウム『銅鐸の国と弥生時代の社会』」が7日午後1時から市公会堂で開かれる。先着600人。学芸員のギャラリートークは28日、1月18日、2月1日の午後2時から。いずれも無料、申し込み不要。ミュージアムショップで資料冊子と期間限定販売の記念缶バッジを販売している。
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