道路整備など課題山積の三河港
三河港の港湾機能の整備促進などを目指して活動する三河港振興会(会長・佐原光一豊橋市長)が、港湾管理者の県に「国際自動車戦略港湾・三河港の事業に関する要望書」を提出した。日本を代表する自動車貿易港だが、課題は山積している。
三河港は、豊橋(神野・明海地区)、豊川、蒲郡(蒲郡・大塚地区)、田原に企業用地があり、多くの企業が進出している一方、今後立地できる用地もある。
昨年の貿易額港別順位は前年10位から9位に上昇、自動車輸入が金額、台数とも24年連続で全国一だった。
産業活動が活発な反面、長年、懸案となっているのが道路。東名高速道路インターチェンジ(IC)には30数分かかる。全国と比べ高速道路へのアクセスが極めて劣り、地域の経済成長への支障となっているとの声が出ている。周辺や、東名をつなぐ道路も慢性的な渋滞の発生などがある。
「道路の脆弱性から立地を逃したこともある」。要望書提出にあたり、出席した田原市の山下政良市長は深刻な道路事情を訴えた。
依然として、朝夕に渋滞している国道23号名豊道路豊橋港ICと三河港大橋間の道路の立体化などを要望した。
同港の各地区を結ぶ臨港道路東三河臨海線の整備促進も課題だ。特に海を隔てて隣り合う企業用地「御津1区」と「御津2区」間の早期実現が、以前から求められている。進出企業の利便性向上になるだけでなく、災害時の避難路、企業立地促進にもつながり、豊川市などが要望を続ける。
県側も毎年度、対応しており、手をこまねいているわけではない。ただ、地域住民らの立場からするとテンポが遅いのは否めない。関係自治体と県議が一体となり、企業など地元の声を関係機関に一層届け、推進を後押ししてほしい。
(中村晋也)