新城市が第1回「平和祈念式典」

2017/07/30 00:01(公開)
「平和都市宣言文」を唱和する参加者ら=新城文化会館で
 第1回「新城市平和祈念式典」(同市主催、市遺族会後援)が29日、新城文化会館で開かれた。遺族会員や民生児童委員ら400人以上が参加。市内の戦争体験者を取材する郷土史会員が戦争に関与しないことを訴えたほか、参加者全員で「平和都市宣言」を唱和。次世代へ戦争のない社会実現に向けて語り継ぐことを誓い合った。
 同市では昨年度まで戦没者の遺族会主催で追悼式を行ってきた。太平洋戦争の終戦から70年が経過した2015(平成27)年には市制施行10周年を迎えて「平和都市宣言」を制定。遺族の高齢化などから次世代に語り継ごうと市民全体で平和について考えようと、今年度から祈念式典とした。
 式典で穂積亮次市長は「先人たちの思いを形にして引き継ぐことが私たちの使命。祈り続けて平和の行動を起こすことを誓います」と式辞を述べた。
 市民発表では八名郷土史会の安形茂樹さんが「身近な人の戦争体験を取材して」と題して活動報告。「戦地での加害者としての体験談など当時を鮮明に覚えている人がいる一方、話を聞いてもらえない人もいる」とし、「今の平和は戦争体験者の悲しみの上にある。地元の小中学生が地域にいる人に聞いてみても良いのでは」と提案した。
 また広島平和記念資料館被爆体験伝承者の若山隆英さんが講演。引っ越しの最中に被爆した男の子が兄や母を亡くした体験談を紹介。大人になり、核廃絶について「人類の子孫に責任を持つという共通の立場に立てば話し合いもできる」というメッセージを強調した。
(安藤聡)
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