夏の愛知大会で、1953年以来73年ぶりの甲子園出場を目指す時習館を率いるのは、かつて豊橋工高を21世紀枠で初の甲子園に導いた林泰盛監督だ。昨春、母校へ赴任。「意図を持って取り組み、1球も無駄にしない」を口癖に、選手たちと聖地を目指す。
午前7時半頃、グラウンドで林監督が選手へノックを打っていた。昨春から選手主体での自主練習に林監督も付き合う。三塁手が泥だらけでダイビングキャッチすると「ナイスキャッチ」と声を張り上げ、周囲に「評価してやれ」と呼び掛けた。「消極的なミスには厳しく言う」と語りつつ、時には選手と冗談も交わす。
2015年に豊橋工を甲子園へ導き、豊橋西でも県大会出場するにまで育て上げた。昨春、母校に赴任したが、中高一貫推進委員の校務を任され「あまり練習を見られない状況だった」という。チームの指揮を執るようになったのは昨年7月から。選手を「自分たちで考える文化はあるが、礼儀や本当の野球をまだ知らない」と指摘する。
口癖は「勝負は1球で決まる」。ボール拾いの1球でさえ無駄にしてはならない。それができなければ「失策の後にすぐ次の塁を狙うような、試合中の一瞬の判断はできない」と話す。打撃練習で右方向へ強く流した場面でも「打たされている。狙って打て」と指摘し「試合は良いが、練習では駄目」と再現性の重要性を説く。
「どこまで指導していいか」と悩む日々だが、「駄目なことは注意しないと」。先日もユニホームが泥で汚れた選手に自分で洗濯するよう指導した。「親に洗ってもらって当たり前だと思っている」と熱を込める。
今春の全三河大会では初戦で愛産大三河に1対2で敗れたが、園部赴士(3年)、尾崎旬(同)の両投手が粘り強く試合をつくり、佐藤優平主将(同)もチャンスメーク。夏への手応えをつかんだ。チームの目標は「甲子園で1勝。絶対に甲子園に行きます」と力強く語った。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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