県警千種署員が、保護した子猫を元いた場所に放置した疑いがあることが判明した。傷病猫の可能性があった。地域猫活動団体は動物愛護管理法違反(遺棄)の疑いで告発する方針。
名古屋市を拠点に活動する団体「ねころび」代表の山本麻衣さんによると7月9日午後8時ごろ、千種区のオフィスビル敷地内で、同じ場所でぐるぐると回り続ける子猫が見つかった。そばには子猫が入れられていたとみられる段ボール箱などがあった。第一発見者の30代男性は、餌を買いに行き一度見失ったものの捜索を続け、10日午前1時ごろに草むらで再発見し、警察に通報した。臨場した4人の署員は「遺棄事案」と判断し、子猫を一時預かりとして引き取った。署員は発見者に動物愛護センターへの搬送を求めたが断られたため、警察で対応すると約束したという。
その後、子猫は署に置かれたままだったため、男性は「自分で連れていきます」と申し出て市動物愛護センターに確認したところ、センター側は「遺棄なので引き取る。連れてきてほしい」と回答した。ところが同日夕、警察から男性に対し「私たちの判断で元の場所に戻した」と連絡があったという。山本さんによると、現場は交通量が多い道路に面しており、子猫にとって危険な場所だ。山本さんの協力者らが、周辺で捜しているが見つかっていない。
山本さんは「せっかく救われた命を外に戻すという判断をなぜしたのか、理解に苦しむ。すぐに医療につなげなければ危険な状態と分かるはずで、助けられなかったことが悔しいです」と話した。
警察が保護した猫を再び放して問題となったケースは過去にもあった。2013年には病院の前に捨てられていた子猫を、一度は保護した東海署員が動物保護管理センター支所長の指示で畑に逃がした。動物保護団体が動物愛護法違反容疑(遺棄)で署の会計課長とセンター支所長を告発、書類送検された(後に不起訴)。当時、大村秀章知事が「自活可能な猫を放すことは遺棄とは考えない。職員に違法性はない。トラブルを防ぐため、環境省に遺棄の定義を明確にするよう強く求めていきたい。あいまいだから現場が対応できなくなる」と述べた。
今回の千種署員も悪意はなかったのだろうが、動物愛護センターや地域猫団体に相談はしなかったのだろうか。東愛知新聞社は県警広報課を通じて千種署に事実関係の確認を求める8項目の質問状を送付した。同署は7月27日付で「質問事項については、現在調査中につき、回答を差し控えさせていただきます」と返事を寄せた。
警察も動物に対して愛護法に基づき、きちんと対応してくれるようになってきたと思っていたところの出来事なので、信じられない思いです。原因を調査し、二度と同じことが起きないよう、全警察官に周知徹底してほしい。
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1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。
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