バイオマスなどの原料で高機能な土壌改良剤を製造するバイオベンチャー「TOWING(トーイング)」(名古屋市千種区)は、豊橋市神野新田町で同社初の量産プラントを稼働させた。豊橋市が開いた2022年度のアグリテックコンテスト入賞者で、今年度まで2年間の伴走支援を受けている。28年度までに全国各地で15基の稼働を目標に掲げる。
土壌微生物の培養技術を生かして炭に微生物を定着させた高機能バイオ炭「宙炭(そらたん)」を開発、土壌改良剤の量産化に成功した。
豊橋市バイオマス資源利活用センターの敷地内に事務所を備えた生産拠点を設けた。プラントは、農業生産で排出されるもみ殻などの未利用バイオマス原料を焼却し、微生物との混合や培養までの3工程からなる。
プラントは東邦ガスとグループ会社が建設。今後は東邦ガスの国内展開で来年度3基、26年には3~5基のプラント受注を目指す。
市の伴走支援で今年度まで実証実験に取り組んでおり、もみ殻原料の製品は月約10㌧の生産能力がある。今後は柿農家から出るせん定枝など他のバイオマス原料での量産にも挑むという。
「宙炭」の土壌改良効果で、収穫量や耐病性の向上などが見込める。通常3~5年必要な土壌改良も1カ月で済み、農薬や化学肥料の減量減にも役立つ。地中での炭素固定により、農地から排出される二酸化炭素(CO2)も抑えられる。排出権取引市場での活用も見込み、今年度中にも実証案件についてJクレジット発行を計画する。
プラント開所に先駆けてすでに、市内の一部農家へ製品を出荷した。西田宏平社長は「プラント稼働で市内への出荷態勢が整った。全国各地に量産施設を広げたい」と語った。
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愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。
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