どうなる豊橋新アリーナ〈下〉 三遠ネオフェニックスのファンらも動向注視

2024/11/14 00:00(公開)
強豪に成長したフェニックスを応援する満席の会場=豊橋市総合体育館で

 

 新アリーナ契約解除を掲げる長坂尚登氏(41)が豊橋市長選で当選したとの一報に、市内を拠点とするプロバスケットボールBリーグ「三遠ネオフェニックス」の多くのファンは衝撃を受けた。バスケットボールBリーグは12日、2年後に内定していた国内最高峰の新リーグ「Bプレミア」への参入が白紙となる見解を示した。SNSでは連日、市長選の結果を悲しむ投稿が市内外から寄せられている。一方、長坂氏に再考を促そうとする動きも見え始める。

今後の取り組みを示したフェニックス社長のメッセージ

26年のBプレミア参入は白紙へ 

 

 Bリーグの島田慎二チェアマンは12日の理事会後、豊橋市長選の結果を受けて、三遠のBプレミア参入ライセンスがはく奪される見通しと、しばらくは動向を見守る姿勢を示した。同日夜、三遠の運営会社フェニックスは「アリーナ建設に向けた取り組みについて」と題したメッセージを水野晃社長名でホームページ上で公表した。

 

 文書には「今回の市長選の結果を重く受け止めている」としつつ「アリーナに反対する新市長との面会を望み、リーグやBプレミアの現状を説いて必要性を理解いただきたい」とする考えを示した。クラブは今後も豊橋市をホームに活動を続ける考えだという。

 

 こうした状況で熱心なブースターらは連日、SNSの投稿でフェニックスの行く末を案じ、再生へ向けた前向きな議論も重ねている。

 

 豊橋市に住む30代女性ファンは「市長選では反対派の候補が当選し、どうなるのかと心配しています」と心境を語った。Bプレミア参入については「三遠地域を中心とするファンの願い。豊橋にプロチームがあることで、市民がともに成長していける」と述べた。

 

 蒲郡市の30代女性は「プロチームが地元にある誇りは地域活性化にもつながる。現在はリーグでも有数の強豪に成長した」と述べた。そして「これからまちを盛り上げられると期待しただけに残念。チームは地域を大切にしてくれているのに、ホームタウンとして豊橋市が応援しないというのは申し訳なさすぎる」と憤る。

 

 静岡県湖西市の神谷育江さんは8年来のブースターだ。「SNSの投稿は悪口雑言も飛び交っており、三遠のイメージが低下しないか心配だ。どんな状況でも応援し続けたい」と前向きに語った。こうした前向きな意見が比較的多く、今できることとして「試合会場で応援すること」を挙げるファンが多い。

 

計画継続求める市民の動きも

 

 ファンを中心とする一部の市民有志が新市長への要望活動に乗り出した。アリーナ契約解除の中止を求める請願に向け、近く署名活動を始めるとしている。

 

 フェニックスはホームページで発信したメッセージをエックス(旧ツイッター)で投稿し、13日現在で120万超のアクセスを記録した。バスケ文化を根付かせつつある地方都市で起きたアリーナ賛否を巡る波紋は、その行方を注視する全国のバスケファンから今も熱い視線が注がれている。18日から本格始動する長坂市政の今後の対応にも注目が集まる。

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