豊橋で兼井さんがふる里・渥美半島満載の写真展

2017/01/26 00:00(公開)
渥美半島をテーマに写真個展を開いた兼井さん=田園で
 豊橋市南栄町の兼井円成さん(92)による写真個展「第37回写真展 ふる里 渥美半島 回顧録」が、同市馬見塚町のギャラリー茶房「田園」で開催中。29日まで。
 写真歴70余年の兼井さん。写真を撮り始めたのは16歳で、満州で軍の写真班として開拓団慰問を撮ったことがきっかけという。55年ほど前からは風景やスナップに取り組み、公募展などで活躍してきた。ケガのため、現在は撮影活動を中断してしまったが、撮りためた作品がたくさんあることから個展を企画した。
 今回は、伊良湖岬の灯台や弥八島などを中心に、自身が育った渥美半島の写真31点を発表。昭和50年から数年前までの作品で、1点を除き全てがリバーサルフィルムで撮ったものだ。中には数点、二科展などの公募展入選作も。
 地元の人も驚いたという、空と海が真っ赤に染まる「朝焼けの海」をはじめ、絶滅危惧植物に指定されているハギクソウ、波打ち際に広がる美しい風紋、崖の上まで登って撮ったユリの花、月明かりだけで撮った夜の海面、絞りとシャッタースピードを考えて美しい船や灯台の光跡を収めた作品、台風の荒波など、長年通い詰めた兼井さんならではの力作が並ぶ。
 「苦労して撮った思い入れある作品ばかり」と兼井さん。「まだ未発表作品はたくさんある。機会があればまた展示会を開きたい」と語る。
(田中博子)
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