新城の千郷中 「NIE」の取り組み㊥

2017/08/02 00:00(公開)
壁に貼られた「NIE通信」やスクラップブックの前に立つ金田教諭
興味ある記事をノートに

 新城・千郷中の「NIEノート」。
 生徒が興味を持った新聞記事をノートの左側に張り、右側に感想や自分の考えを書き、担任に提出。担任はコメントを書いて生徒に返却。生徒は教師コメントを確認して、次の生徒にノートを手渡す。全校生徒が参加して、これを連日繰り返している。
 「やばいという言葉が使われるけれど、良い傾向だと思わない。言葉にはその人の品格が表れる。言葉遣いに気をつけたい」
 3年男子は66歳のこんな投書を取り上げ、ノートに次のように書いた。
 「友情は風船のようなもの。風船の中にたくさんの友達を増やしていこう。でもチョットでもキズ付けたりしたら、風船は割れる。これはお父さんがよく言った言葉です。この言葉を自分の子にも伝えていきたい」
 記者「生徒たちは投書欄も読むんですね」
 今泉雅晴校長「読みやすく、身近に感じる点もあるんでしょうか」

新聞から愛郷心も芽生える

 生徒たちはどんな記事を読むのか。また読みたいと思っているのだろうか。アンケートした。
 多かったのは、野球やサッカーなどのスポーツ記事。部活でやっている種目なのだろうか、「バレーボールの記事」を挙げた生徒もいた。
 また、「発言(投書欄)のところ」という声もあった。NIEノートづくりは人の意見に耳を傾ける大切さを学んでいるようだ。
 新聞を読んで、どんなことを考えるようになったか、も聞いた。
 新城が消滅可能性都市と言われ、「ぼくたちが新城を元気にしないと」という思いが強くなった▽他の地域のことを知り、新城の改善点を考えるようになった▽新城のことをもっと詳しく知りたくなった―。
 「新城は店の少ない田舎と思っていたけど、今は、それでも自然豊かな町と思うようになった」
 愛郷心も芽生えてきたようだ。
 大きく頷(うなづ)かされる意見も出た。
 地元のことだけでなく、県外の記事も読んでみたいと思うようになった▽世界の動きに関心を持つようになった▽北朝鮮のミサイル発射などが気になるようになった―。
 「大きく書かれているものを読む」。見出しも含めて、扱いの大きいニュースのことだろう。生徒たちの声には新聞編集、紙面づくりへの期待と激励が込められているように思う。
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