佐藤さん生前の功績たたえる

2017/10/31 00:00(公開)
在りし日の佐藤行央さん(昨年4月写す)
豊橋のさわらび会が福祉村名誉村民証を贈呈

 若い頃の事故で体幹機能障害となり、豊橋市野依町の福祉村内にある障害者支援施設「珠藻荘」(森正比古施設長)に入所、口で絵筆をくわえて絵画制作を行うアーティストとして活躍を続けた佐藤行央さんが今年9月、62歳で逝去した。施設を運営する社会福祉法人さわらび会(山本孝之理事長)は佐藤さんの生前の功績を讃え「福祉村名誉村民証」を贈呈、故人を顕彰した。
 佐藤さんは1976年、海水浴中に飛び込みに失敗したことが原因で、四肢完全麻痺の体幹機能障害障害を負った。入院生活中に、筆を口にくわえて絵を描く人の話を聞き、口で筆をとる練習を始めたという。
 80年に同荘に入所後、少しずつ絵を描き始め、87年からは同法人の機関誌「さわらび」の表紙絵を1年間担当した。その牧歌的な絵は多方面の人を魅了し、これまでに個展開催やカレンダー出版、各種展示会などで発表を続けたほか、同所を中心とした「福祉村キャラバン隊」の一員として出前講座などで絵画制作の実演を行うなど、障害者福祉の啓発活動にも尽力した。
 名誉村民証の贈呈は、法人内の第二さわらび荘で行われ、山本理事長から佐藤さんの姉である山口ちえさん=蒲郡市=に村民証が手渡された。
(田中博子)
山本理事長から名誉村民証を受け取る山口さん㊨=豊橋市野依町で(提供)
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