赤ちゃん先生が命の大切さ伝える

2022/02/22 00:00(公開)
手作り絵本の読み聞かせ=豊橋市立北部中学校で
 3歳までの赤ちゃんが16日、豊橋市立北部中学校3年生33人の特別授業で「先生」を務めた。手遊び歌や絵本の読み聞かせを通し、命の大切さや子育ての大変さと素晴らしさを生徒たちに伝えた。
 NPO法人「ママの働き方応援隊」の主催。3歳以下の赤ちゃんとママが教育機関や高齢者施設を訪問し、子どもやお年寄りに触れあってもらうことで、命の大切さを学んだり、癒やしを感じてもらう。
 この日は赤ちゃんとママ9組が参加。新型コロナウイルス禍のため、赤ちゃん先生は自宅からオンラインで”講義”した。先生たちは手遊び歌が好きだ。生徒は、画面越しの赤ちゃん先生に見えるように大きな動作で、カメラに向けて振り付けを交えながら歌を歌ったり、手作りの絵本のページをめくりながら、大きな声で感情を込めて読み聞かせたりした。
 渡辺悠月さんは「緊張した。赤ちゃん先生が声を上げて喜んでくれていてとてもうれしかった」と話していた。

編集後記

 いちばん気難しい年頃の中学校3年生が、最初は照れ隠しもありもぞもぞと動いていたが、次第に周囲の目線も気にせず、大きな動作で手遊び歌をしている光景は、笑いをこらえることができなかったし、この年頃の子どもたちに与えるべきとても大切な刺激だと思えてならなかった。
 自分の見栄より、周囲への反発より、優先しなければいけないのは自分が何とかしなければならない、自分自身に気を使ってくれはしない赤ちゃん。パソコン越しではあるが、生徒たちの読み聞かせや手遊び歌に反応した赤ちゃん先生の「わー」「きゃー」という声が聞こえるたびに教室全体が温かい笑いに包まれる。
 赤ちゃん先生という取り組み。スマートフォン、SNS、パソコンを介して交流するコロナ禍が続く。人間の温かみを忘れかけた今こそ、それが求められていると中学生のなりふり構わない読み聞かせを見て確信した。
(客員編集委員・関健一郎)
赤ちゃん先生と交流する生徒
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