名ランナーを輩出 豊橋の「TTランナーズ」

2024/01/09 00:01(公開)
仲井さんを囲む近田、浅井、近藤、吉居駿(左から)=豊橋市陸上競技場で
代表の仲井さんと教え子に聞く
 
 豊川市出身の近藤幸太郎(SGホールディングス)や田原市出身の吉居大和(中央大4年)、駿恭(同2年)ら、今年の駅伝シーンを沸かせた選手たち。彼らは豊橋市の陸上クラブ「TTランナーズ」で汗を流した仲間だった。名ランナーを輩出するクラブを取材した。

 クラブの代表を務めるのが、仲井雅弘さん(62)。早稲田大4年時には、7区で区間賞を獲得し、30年ぶりの総合優勝に貢献した。その後、28歳でトヨタ自動車陸上長距離部の監督を務めた。退社後は家業を継いだため、しばらく陸上から離れていたが、長男やその友人に走り方を教えたのをきっかけに陸上への情熱が再燃。2003年に実業団時代の仲間たちと「TTランナーズ」を創設した。
 クラブでは、東三河の中高生を中心に、小学生から50代の約250人が在籍。豊橋創造大グラウンドや市陸上競技場、岩屋緑地公園などで、週4~5日汗を流している。トラックで走るだけでなく、クロスカントリー走やハードルを使った基礎練習、筋トレと有酸素運動を組み合わせた「サーキットトレーニング」などで、足腰を鍛える。
 指導方針は「タイムを追わない」こと。「成長期の子どもに、記録や順位を求めすぎるのは良くない。無理のある練習でけがをしてしまっては元も子もないので、自分の体に合ったフォームと身体をつくることを優先する。高校生や大学生になったときに花を咲かしてほしい」と力説する。
 また、ここではレベル差に関係なく、全員が同じ練習に取り組む。これは早大時代、五輪2大会に出場した瀬古利彦さんら一流選手と練習した経験から。「たまについていけたことがあって、それが自信になった」と話す。
 「陸上を始めたばかりの子から、トップランナーまで参加する。一緒に走ることで、フォームを見て学べるし、『自分もこうなってみたい』と、意欲を持って練習に取り組める。自分で考える力を育めるので、ここを離れた後も伸びる子が多い」と語った。
 今年のニューイヤー駅伝でエース区間の2区を走った近藤や、箱根駅伝の7区で区間賞を獲得した吉居駿恭、2区を走った浅井皓貴(順天堂大3年)、初出場の近田陽路(中央学院大2年)。この4人は、クラブで教えてもらった「走ることの楽しさ」が今も走り続ける原動力になっているという。
 近藤は「今の自分があるのはTTのおかげ。一緒に仲間と走るのが楽しくて、いつもワクワクして練習に向かっていたのを覚えている」と振り返った。その近藤を「優しくて大好きな先輩」と慕う吉居駿恭は、「走る楽しさを教えてくれた場所」といい、「陸上を好きでやってこれている原点」と語った。
 浅井は「今も仲間が活躍しているのを見ると、刺激になる。学校のクラスのよう」と表現。近田は、仲井さんを「一番の恩人」と話し、「自分を信じること、食生活や睡眠の大切さを教えてもらった。それが今も生きている」と感謝した。
 TTは「Together(共に)」「Training(練習)」の頭文字。世代を超えて、高め合える一生の仲間をつくってほしいとの願いが込められている。「レースが終わってお互いをたたえられる。それが我々が目指してきた姿」と4人を見て笑った。
【北川壱暉】
クロスカントリーロードでランニングする選手たち=岩屋緑地公園で
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