【豊橋新アリーナ】決着は住民投票が濃厚か

2025/04/29 00:00(公開)
住民投票での決着へと向かいつつある新アリーナ事業(提供)

 豊橋市の新アリーナ事業を巡り、契約解除の方針を掲げる長坂尚登市長と対立する市議会双方の発言などから、住民投票による決着が濃厚となりつつある。市議会3月定例会で可決した今年度補正予算で関連事業費を盛り込んだ。質疑では執行時期は未定としたが、市長が望む住民投票を要件に挙げた。住民投票を望む一方、現計画に関する市民向けの情報発信については消極的だ。

 

 長坂市長は新アリーナ事業の契約解除を掲げて昨年11月の市長選に当選した。一方で市民らの署名活動を元に事業継続を求めた請願が昨年12月定例会で可決された。市長を支持するのは主に事業反対派だが、計画賛成の民意に配慮すべきだとの重い判断も示された。

 

 12月定例会では賛否両派から住民投票条例案が提出されたが、賛成派が市民の判断材料となる情報不足などを理由に取り下げた経緯がある。契約解除した場合、事業者から請求される損害賠償額などが分からない。

 

 棚ざらしにされた住民投票が再浮上したのは3月定例会。新年度予算を審議する特別委員会で自民など複数会派が、新アリーナ事業が解約されていない状況で関連予算が盛り込まれないと組み替えを動議した。即日で提案した補正予算の関連質疑で、市長は住民投票を執行の要件に挙げた。

 

 住民投票の際に懸念されるのは市民が投票の判断材料とする公的な情報だ。現計画の概要とメリットやデメリットを踏まえた判断材料を市民は求めている。

 

 長坂市長は23日の定例記者会見で、昨年8月のアリーナに関する概要説明書を引き合いに「これ以上の情報はないのでできない」と答えた。

 

 市民への説明が難しい理由について市長は「ゼロベースとした前市長が計画を進めた説明が必要だった」とし、市へ請求した当時の開示情報は黒塗りが多い点も非難した。長坂市長は就任後、関連文書には一通り目を通したと議会でも答弁した。

 

 市長はすべての文書を黒塗りなしで見られる立場となった。市が情報発信できない状況は、住民投票の公平公平の担保する上での懸念材料となる。

    

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加藤広宣

愛知県田原市出身。高校卒業後、大学と社会人(専門紙)時代の10年間を東京都内で過ごす。2001年入社後は経済を振り出しに田原市、豊川市を担当。20年に6年ぶりの職場復帰後、豊橋市政や経済を中心に分野関係なく取材。22年から三遠ネオフェニックスも担当する。静かな図書館や喫茶店(カフェ)で過ごすことを好むが、店内で仕事をして雰囲気をぶち壊して心を痛めることもしばしば。

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