【連載】「剣理人倫 我外皆師」〈39〉「プロは背中で語る」

2025/05/03 00:00(公開)

 お仕事の方もいますが、気忙しい日々から離れ満喫した連休をお過ごしと思います。私はここ数年連続して休みをとれていますが、振り返ると仕事の場合が多かったです。学生の頃は遠征や合宿で全国を飛び回っていました。

 

 先日数カ月前の冬に続き同じ体験をしました。飯田市で会合のため飯田線を利用し、長時間のお供に本を持参して車窓から見える景色を楽しみました。活字を追っていると心地よい振動で睡魔に負け、夢うつつで目的地に着きました。

 

 会合も終わり、帰りは特急でなく普通列車で豊橋に帰ります。時間は約3時間半。前回の真冬時は空腹と寒さでつらかったので、今回は対策を講じて乗車しました。

 

 数カ月前の体験とは列車通過待ち合わせの際、来る予定の列車が鹿と衝突してその待ち時間で30分以上待たされ、結果4時間以上経過して豊橋に着きました。

 

 今回は弁当を食べ読書をしていましたが、他の乗客はどんどん降りて天竜峡駅から全2両の車内は誰もいなくなり2時間貸し切り状態でした。私の行き先が終点豊橋と知っている車掌さんは「寒くないですか?」とよく声をかけてくれてうれしかったです。

 

 まるでどこかの国の将軍様専用列車のような気分になっていると急ブレーキと同時に「ただ今鹿と接触しました。車両点検のため停車します」の放送。前回は待ち合わせの列車が鹿と衝突でしたが、今回は乗車している車両が接触。またしても鹿で立ち往生し車窓を開けたら獣の鳴き声が至る所でこだましていて、もののけ姫の世界でした。鹿だから仕方ないが、早く帰れない私のほうがほえたかったです。

 

 その間運転士は車軸などマニュアルにそって確認作業をしていましたが、その姿はまさにプロフェッショナルの背中でした。結果20分遅れで発車し、豊橋駅に着いた時に聞いたら「たまにありますよ」の返答でした。当たり前のことを当たり前にやるだけ、でも結果は遅延だから丁寧に謝罪する。一連の業務を淡々とこなす姿にプロの流儀を感じました。停車中ずっと自分はしかめっ面でなかったか自問しました。

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