嵩山の白土社の廻り舞台から大量の書割見つかる 明治期に描かれたか

2024/11/28 00:00(公開)
鶴と松の図=白土社で(提供)

 豊橋市嵩山町で市民団体が復活させようとしている「廻り舞台(まわりぶたい)」で、建物の中から大量の書割(かきわり)が見つかった。背景などを平面的に描いて舞台に設置する大道具だ。人々に忘れ去られ、長年放置されていたとみられる。

 

 発見したのは4月に立ち上がった「白土社の廻り舞台を回す会」。これまで、中に入っていたさまざまな農機具などを運び出し、掃除を続けている。

 

 発起人の松田弥生さんによると、長持の上にあった木材をどかして中を確認したところ、数十枚の書割が入っているのを発見した。

 

 1枚は高さ約170㌢、幅90㌢。絵柄は、松と2羽の鶴(6枚組)や店の玄関、びょうぶやふすま、仏壇など。これらを差し替えて、芝居のセットを造っていたとみられる。

 

 関係者によると、絵には落款や署名などはない。松田さんらは、村に住んでいた無名の絵心のある人か、看板業者らが描いたのではないかと推測している。

 

 書割は中に古紙が詰まっていた。村の地図だったり、江戸末期から明治期にかけての年号が読める書付だったりとさまざまだ。松田さんは「解読すれば、書割が描かれた時期が分かるのでは」と話している。廻り舞台では昭和30年代までは旅芸人の芝居があったといい、地元の古老らに見せて思い出してもらう。

 

 国内では江戸末期から明治期に地方の神社境内に農村舞台が建てられ、廻り舞台が造られた。豊橋市には牟呂八幡宮にもあったが倉庫代わりに使われ、2017年2月に焼失した。白土社の廻り舞台は1894(明治27年)頃に建てられたという。奈落に人力の車輪回転式装置がある。

 

 「回す会」は会員募集中。年会費は法人は1口1万円、個人は1口1000円。問い合わせは松田さん(090・8136・4547)へ。

店の入り口の書割(提供)
発見時の様子(提供)
中には古紙が入っていた。村の地図らしい
内部の片付けが進む白土社の舞台
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山田一晶

1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、取締役編集長。こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。

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