豊橋市嵩山町で市民団体が復活させようとしている「廻り舞台(まわりぶたい)」で、建物の中から大量の書割(かきわり)が見つかった。背景などを平面的に描いて舞台に設置する大道具だ。人々に忘れ去られ、長年放置されていたとみられる。
発見したのは4月に立ち上がった「白土社の廻り舞台を回す会」。これまで、中に入っていたさまざまな農機具などを運び出し、掃除を続けている。
発起人の松田弥生さんによると、長持の上にあった木材をどかして中を確認したところ、数十枚の書割が入っているのを発見した。
1枚は高さ約170㌢、幅90㌢。絵柄は、松と2羽の鶴(6枚組)や店の玄関、びょうぶやふすま、仏壇など。これらを差し替えて、芝居のセットを造っていたとみられる。
関係者によると、絵には落款や署名などはない。松田さんらは、村に住んでいた無名の絵心のある人か、看板業者らが描いたのではないかと推測している。
書割は中に古紙が詰まっていた。村の地図だったり、江戸末期から明治期にかけての年号が読める書付だったりとさまざまだ。松田さんは「解読すれば、書割が描かれた時期が分かるのでは」と話している。廻り舞台では昭和30年代までは旅芸人の芝居があったといい、地元の古老らに見せて思い出してもらう。
国内では江戸末期から明治期に地方の神社境内に農村舞台が建てられ、廻り舞台が造られた。豊橋市には牟呂八幡宮にもあったが倉庫代わりに使われ、2017年2月に焼失した。白土社の廻り舞台は1894(明治27年)頃に建てられたという。奈落に人力の車輪回転式装置がある。
「回す会」は会員募集中。年会費は法人は1口1万円、個人は1口1000円。問い合わせは松田さん(090・8136・4547)へ。
購読残数: / 本
1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。
週間ランキング
【マケイン】作中に登場しない「ミナクル」がなぜ聖地に トークショーの裏側で「善意のリレー」 【豊橋新アリーナ】契約解除へ協議継続の意思に変わりなし 市が事業者に通告 「センバツ」で憧れの甲子園へ 横浜高校主将の阿部葉太選手、有言実行で夢を形に 【連載】エンジョイサッカー〈45〉 愛大学長杯でASラランジャ豊川が連覇 「竹とタケノコ」がグランプリ 沖縄の映画祭で153作品から選出 豊橋の谷口さんプロデュース 東三河に春告げる奇祭「豊橋鬼祭」開幕 青鬼が威勢よく出動 寒さ吹き飛ばすプレーを展開 豊橋で「第31回愛知大学学長杯サッカー大会」 星野神社と「不惑の一棟」が米国デザイン賞W受賞 豊橋の望月工務店が設計施工 蒲郡の「ホテルたつき」が灯台と三河湾が一望できるカフェをオープン 【豊橋】新アリーナ整備継続要望 スポーツ4団体が長坂市長に提出日付で探す