南山大経営学部の川北眞紀子ゼミの3年生が、渥美半島の魅力を詰め込んだ新ご当地プリン「kohaku」(550円)を地元企業と共同開発した。今月15~16日、田原市堀切町の伊良湖フラワーガーデンで開催中の「菜の花まつり」でテスト販売し、大好評だった。
メンバーは近藤壮真さん、西山弥玖さん、今井うららさん。昨年4月から商品開発に取り組んできた。素材は「バナナ」で、田原市の田原市保美町の青果生産販売「マーコ」が協力した。
最初は地元に人気の海産物せんべいにあやかり「バナナせんべい」の開発に挑戦した。しかし、「味がしない」「見た目が悪い」などで試作を重ねても満足のいくものができず、7月に断念。続いてAI味覚センサーを頼り、バナナと味覚がマッチすると回答があったシラスを使った「しらすバナナホットサンド」を考案して道の駅「めっくんはうす」で試食会を開いたが、客の評判はさんざんだった。
後がなくなり、伊良湖温泉のホテルや土産物店を調査する中で、若者向け商品が少ないことに気づき、温泉街で人気のプリンに注目した。マーコのバナナが伊良湖温泉水で育てられていることもヒントになった。そして、マーコのバナナと温泉を組み合わせた「カラメルバナナプリン」を開発することを決めた。
納得できるプリンにするまで20回以上の試作を重ねた。田原市出身のパティシエ藤井秀和さんの協力を得た。学生たちは「今まで食べたプリンで一番おいしい」という声に励まされ、商品化に向けて努力を重ねた。
プリンは素材がすべて渥美産。バナナはマーコが温泉水を散布して育てている国産無農薬バナナ「ばななのよろこび」。渥美名産のりを含んだ飼料で育てた卵「白黄の灯台」というブランド卵と豊橋中央牛乳を使った。シャリシャリのこはく色のカラメルソースは、ザラメを入れることで「ザクザク」な初めての食感を実現した。
プロジェクトは、1月に開催された東三河ビジネスプランコンテストで「ほの国やってみりん賞」を受賞している。今後は、イベント出店などを通じて販売を拡大していく予定だ。またプリン作りは地元の福祉施設に依頼するなど、地域を巻き込んでいく。
学生チームは「伊良湖温泉や美しい海など、自然豊かな渥美半島の魅力を、世代を問わず多くの人に知ってもらいたい。温泉地の名物として若者に大人気のご当地プリンを通じ、渥美半島に興味を持つきっかけを作っていきたい」とコメントしている。
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1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。
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