発災時「誰も取り残さない」 言葉通じぬ外国人の誘導にピクトグラム活用 豊橋中消防などが訓練 

2025/03/08 00:00(公開)
ピクトグラムでの誘導=豊橋駅で

春の火災予防運動最終日の7日、豊橋市消防本部は豊橋駅構内で消防訓練に取り組んだ。テーマは「災害から誰も取り残さない」。言葉が通じなくても取るべき行動がわかる「ピクトグラム」(絵文字)を使った外国人の誘導手順や障がい者の避難補助の方法などを確認した。 

 

 訓練には、中消防署員や駅員のほか、駅ビルの商業施設「カルミア」「ホテルアソシア豊橋」のスタッフら計55人が参加した。駅構内の中華店から出火したという想定。職員が消火器や屋内消火栓で初期消火を試みたが失敗、119番で現場に到着した隊員が、南口の消火栓に約20㍍のホースを4本連結させるなどし、消火活動した。

 

消火訓練

 一方、職員は人が手を上げて誘導しているような図柄の「私についてきて」といったピクトグラムのパネルを掲げ、駅構内から改札口の外に人々を避難させた。ピクトグラムは、視覚的に分かる案内用の図記号。外国人や聴覚障がい者らに意味を瞬時に伝えられる。豊橋駅には設置しておらず、関係者は「駅への設置を促すほか、使い方のイメージを膨らませてほしい」とした。

 

 スタッフらは火災や地震で駅構内に障がいやけがにより歩けない人が取り残された場合に備え、階段の昇り降りの補助を消防隊員から学んだ。消防隊員のやり方を見ながら、4人1組になりと声を合わせて運んだ。隊員は「車椅子を持ち上げるのではなく、下の人はちょっと斜めにするくらいにして運ぶように」と助言した。

 

 豊橋駅の乗降客数は1日5万人以上。JR線、新幹線、名鉄が入り、ハブ駅としての機能を持つ。神山隆駅長は「もしもの時に利用者の安心安全に避難させ、被害を最小限にできるように」と話した。中消防署長の野末昌孝さんは駅員らに「一人ひとりがリーダーとなって、持ち場を全うしてほしい」と呼び掛けた。

車椅子の利用者役を運ぶ職員ら
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北川壱暉

 1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。

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