新城市の八名郷土史会などは26日、「戦争体験を語り継ぐ会」を富岡ふるさと会館で開いた。戦後80年の節目として県が唯一の開拓団として満州に送り出した「東三河郷開拓団」や、戦時中の生活について紹介した。
郷土史会は元小学校長の安形茂樹さんを中心に活動を続ける。2015年から毎年、「戦争体験を聞く会」として豊川海軍工廠(こうしょう)の被爆者や満蒙開拓団の引揚者を講師に招いた。当時を知る人が高齢化しており、今年は安形さんが、取材の記録を講演。76人が参加した。
満蒙開拓団に県からは634人が送り出された。安形さんは「東三河郷開拓団の一部は終戦前日の8月14日に現地で集団自決する決定をしていたと聞いた」と述べた。「国策であり、市町村が勧誘し満州へ送り出した。だが戦後、国は補償も十分にしていない」と指摘した。
前線に対する銃後の生活として、豊川海軍工廠や防空壕(ごう)で爆撃を逃れた人への聞き取り、旧役場にあった戦時中の日誌を紹介。「悲惨な史実を知ってもらい、決して戦争に近づかないでほしい」と訴えた。
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浜松市出身。大学卒業後、母親の実家があった豊橋市に住む。スポーツを皮切りに、蒲郡市政担当15年を経て現在新城市と北設楽郡を担当する。映画ロケの炊き出しからご当地グルメとなった「ガマゴリうどん」など、まちぐるみで取り組む姿を取材するのが好き。
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