愛知大学出身で中日ドラゴンズで12年間プレーした祖父江大輔さん(38)が5日、現役引退を表明した。大学時代からバッテリーを組み、中日のブルペン捕手を務める赤田龍一郎さん(37)が思い出を語った。
赤田さんは愛知大で祖父江さんと出会った。「球が速く、スライダーがよく曲がり、とても良いピッチャーだと感じた」と印象を語る。人柄は「人に弱さを見せない。野球に対して本当に真面目だった」と話す。2人は4年時春の1部昇格に大きく貢献した。
赤田さんは中日の育成選手、祖父江さんはトヨタ自動車へ進んだ。「祖父江がドラフト指名されて、僕がかからないことは考えていたので、驚いた」と振り返る。入団時に「祖父江よりも頑張ることが目標」とライバルとして意識していた。
2014年、祖父江さんが中日にドラフト5位で入団し「運命的な部分を感じた」と言う。同年5月10日の広島東洋カープ戦では大学以来のバッテリーを組んだ。「トヨタで制球力やスライダーなどを磨いていたんだなと感じた」と思ったという。
17年に引退、ブルペン捕手となった。春季キャンプでは毎日のように祖父江さんの球を受けた。「何万球も受けてきたから、フォームに変化があれば指摘した。僕のところに毎日のように来てくれた。『どう?』と聞いてくれるので、頼られているんだと思った」
祖父江さんは20年に最優中継ぎ投手を獲得したが、今季は防御率4点台と苦しんだ。「簡単には言えないが、若い子が出てくるなか、思うようなボールを投げられずにつらいだろうなと感じていた」と赤田さん。数日前に祖父江さんから「引退するわ」と直接声を掛けられた。「『中日で引退したかった』と言っていた。すっきりした感じで悔いがないんだと思った」と話す。
改めてライバルに対し「お疲れさま。大学時代からすごいなと思っていた人が、これだけ長く活躍できたのは誇り。よく走って投げていつも若手の手本だった。これから先、何かで一緒になるかもしれないが、その時はよろしく」と呼び掛けた。
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1998年浜松市生まれ。昔からの夢だった新聞記者の夢を叶えるために、2023年に入社した。同年からスポーツと警察を担当。最近は高校野球で泥だらけの球児を追いかけている。雨森たきびさん(作家)や佐野妙さん(漫画家)らを取り上げた「東三河のサブカルチャー」の連載を企画した。読者の皆さんがあっと驚くような記事を書けるように日々奮闘している。趣味はプロ野球観戦で大の中日ファン。
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