第二次世界大戦が終わってから間もない1951年、戦禍によって引き裂かれたアジア諸国の絆をスポーツの力で取り戻し、恒久平和の願いを込めて開催されたのがアジア大会だ。第20回大会(2026/愛知・名古屋)が名古屋市など県内を中心に9月19日から10月4日に開かれる。
大会は原則4年ごとに開催され、国内での開催は58年の東京、94年の広島に続き3回目となる。
第1回大会が開かれたのはインドのニューデリー。当時の新聞はネルー首相が「この大会によってアジア諸国の古い歴史の絆と過去の親善関係を再現できることを信じている」「この大会を機に今後ますます親密の度を加えるべきであると思う」と開会の辞を述べたことを伝える。
第20回大会は45の国と地域が参加する予定だ。2021年の東京オリンピックより8競技多い41競技が実施される。最大1万5000人の選手団が参加する。
アジア大会ならではの種目が多いのも魅力の一つだ。「クラッシュ」は中央アジアのウズベキスタンの競技だ。紀元前5~6世紀ごろに始まったという。柔道に似ており、寝技、絞め技、関節技がなく立ちからの投げ技で試合が行われる。中央アジア地域を中心に競技人口は100万人を超える。
「カバディ」はインド、パキスタン、バングラデシュなど南アジアで数千年の歴史を持つスポーツだ。紀元前に獣に対して武器を持たずに多彩なテクニックを駆使して数人で囲み、声を掛けながら捕らえる技術や獣から身を守る方法がスポーツとなったという。
「セパタクロー」は東南アジア各地で9世紀ごろから続くスポーツ。「セパ」はマレー語で「蹴る」、「タクロー」はタイ語で「籐製のボール」を意味している。ボールをサッカーのように手ではなく、足(キック)、頭(ヘディング)で扱い、テニスやバレーボールなどと同様に境界にネットがあり、「足のバレーボール」とも呼ばれ、選手たちはアクロバティックな動きを見せる。
「武術太極拳」は中国で生まれた中国武術を競技化した。空手の「形」にあたる演武形式の「套路(とうろ)」、「組手」に当たる対戦形式の「散打(さんだ)」に大別される。
「柔術」は日本の代表的な古武道の一つ。投げる、打つ、突くといった技術を用いて、相手を捕らえたり、身を守ったりする武術だ。
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1959年東京都生まれ。山田一晶編集長に声を掛けてもらい、2024年5月に入社した。それまでは別の新聞社に勤務し、名古屋、岐阜、東京などで記者をしていた。事件取材が長かったが、東京では食文化、社会保障といった分野の取材も経験。介護など生活に密着した記事の重要性を実感した。趣味は街歩きと山歩き。東海道五十三次を歩いている。目標は東京―京都間の完歩。テント泊の登山にも憧れているが、三河の低山巡りがメイン。ミステリー、歴史小説を愛読。名古屋支局で愛知県政を担当している。人口減少、地域活性化の課題などを取材しながら、東三河の魅力を発信していきたい。
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