豊橋の「ながら・加藤建築」棟梁の加藤さんが東京庵豊川店の水車を修復へ

2025/10/30 00:00(公開)
故障した東京庵豊川店の水車

 豊川市馬場町の国道151号沿いにある飲食店「東京庵豊川店」のシンボルである水車が故障し回転しなくなっている。この水車を豊橋市石巻本町の「ながら・加藤建築」の棟梁(とうりょう)、加藤泰久さん(58)が修復することになった。神社仏閣の修復にも携わるなど伝統建築の技術の継承と発展に尽くしていることが評価された。

 

 1976年の開店に合わせ、そば粉をひくための水車小屋を造った。実際に水を流して水車を回している。何度も修理や水車の取り換えをしてきたが、これまでは遠方の業者が中心だった。地元にも技術がある加藤さんがいることを知り、発注した。

 

 今回は古い水車を撤去して新造する。直径3・6㍍、幅35㌢。加藤さんは材料から手配して杉の丸太を購入し、製材して板にした。十分に自然乾燥させてから加工に入る。常に水がかかるため、腐りにくい木の中心部にある赤い部分のみ使う。木の乾燥具合を見て着工する。加藤さんは高い加工技術を持っており、2024年に「あいちの名工」に認定された。普段は住宅を建てているが、特殊な仕事にも対応できる技がある。

 

 東京庵の戸倉信一郎社長は「店のシンボルだけでなく、まちの風景にもなっている水車。これで6台目になるが、これからも維持していく。不具合が出てもすぐに来てくれる地元の加藤さんに依頼できたのは心強い」と話す。

 

 加藤さんは「既存の水車を調べたらネジで止めてある部分が多かった。現在の形は変えずに材料をホゾなどで組み合わせた構造にして長持ちするようにする。メンテナンスもしっかり対応していく」と話す。

水車に使う材料と加藤さん。現在は天然乾燥させている=ながら・加藤建築で
続きを読む

購読残数: / 本

この記事は登録会員限定です
この記事は有料購読者限定記事です。
別途お申し込みをお勧めします。

竹下貴信

1973年生まれ、豊川市出身。建設業界に勤務後、96年に入社。2022年から豊川市を担当している。趣味は美術館巡り。ポッドキャストでラジオを聞くのも好きで、さまざまな番組を楽しんでいる。

最新記事

日付で探す

藤城建設 住まいLOVE不動産 さわらび会 蒲郡信用金庫 光生会 虹の森
hadato 肌を知る。キレイが分かる。 豊橋法律事務所 ザ・スタイルディクショナリー 全国郷土紙連合 穂の国