豊橋の岩屋キャノンボウル54年の歴史に幕 「ご苦労さまは言いたくない」と再会を信じるファンも

2026/02/02 00:00(公開)
スペアを取ってハイタッチ
スペアを取ってハイタッチ

 東三河最大規模の老舗ボウリング場「岩屋キャノンボウル」(豊橋市岩屋町)が1月31日、営業を終了した。1971年の誕生以来54年にわたり、プロからアマチュアまで多くの人に愛されてきたが、建物の老朽化や経営環境の悪化などを理由に惜しまれながら閉店した。

 

 最終日、同店は特別料金で営業した。午前10時に開店すると子どもから70代まで幅広い世代が訪れた。午後4時半頃、パーフェクトを達成したボウラーが現れた。館内にアナウンスが流れ、多くの人が最後の一球を見守る中、ストライクを決めると会場中が拍手で包まれた。

 

 所属する水野耕佑プロにとって、ここは「第2の故郷」だった。優勝や結婚を経験した思い出深い場所。「温かいお客さんに支えられた。レッスンで『点数が出た』と報告してもらえることがモチベーションだった」と話した。毎週通っていた市内の60代夫婦は「40レーンで音が良くプレーしやすかった。仲間が別々になるのが惜しい」と話した。

 

 近年は雨漏りによる漏電や火災リスクが浮上し、利用者の安全を最優先に考えた末の判断となった。関係者は「健康ボウリングの拠点として尽力してきたが、多額の修繕費用を回収するのは極めて厳しい状況だった」と明かす。

 

 1970年前後のブーム期には女子プロの活躍で競技人口は1000万人に達したが、レジャーの多様化などで施設は年々減少。24年8月時点で631施設と、ピーク時の約6分の1にまで落ち込んだ。一方、高齢者の「長寿ボウラー」登録者数は平成初期から約400倍に急増した。生涯スポーツとしての価値は再評価されている。

最終日となった岩屋キャノンボウル
最終日となった岩屋キャノンボウル

 豊橋市の不登校児専門アドバイザー、岡田峰則さんはキャリア20年以上の愛好家で、不登校の親子を対象にボウリングで絆を強める家族療法にも取り組んできた。また、自身が取り組むデザイン書展も開くなど、岩屋キャノンボウルと長年にわたりいろいろな形で交流を続けてきた。

 

 「プロの皆さんも活動に協力してくれた。必ず復活してくれると思っているので、ご苦労さまとは言いたくない。だれかが継いで、未来につなげてくれたらいいと願っている。ボウリング療法については今後も続けていきたい」と話した。  

 

 岡田さんの友人で、同所でライブも数回開いたというミュージシャンのかねとうかずさんは「昔から来ていて、玉突き(ビリヤード)を覚えたのもここだった。演奏もさせてもらった。長い付き合いだったので、さみしくなる」と話す。

 

 豊橋障害者(児)団体連合協議会(豊障連)と約20年間、ボウリングで交流を深めてきた豊橋北ライオンズクラブの今年度の会長、山本健二さんは「長年協力いただき、こちらの要望も聞いていただいた。残念でならない」と閉店を惜しんだ。

岡田さんが開いていたデザイン書展(2023年撮影)
岡田さんが開いていたデザイン書展(2023年撮影)
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