経済産業省が定める「デジタルガバナンス・コード」に基づき、経営変革に向けたDXの準備が整っている事業者を国が認定する「DX認定制度」において、東三河8市町村の認定企業数が計8社にとどまり、地域の人口比や事業者数から算出される期待値を大幅に下回っていることが明らかになった。
県全体の認定企業数212社に対し、東三河8市町村の認定数は3・7%に過ぎない。県全体(約745万人)における東三河の人口比(約72万人、県全体の9・7%)から試算される期待認定数は20・6社であり、実績の8社は期待値の4割の水準にとどまる。また、民営事業所数(約3・1万事業所、県全体の約10・0%)や会社企業数(約1・1万~1・2万社、県全体の8・5~9・0%)を基準とした期待認定数(18・7社)と比較しても半分以下という結果を示している。
市町村別の内訳では、豊橋市が5社(県内シェア2・36%)、蒲郡市が2社(同0・94%)、豊川市が1社(同0・47%)となっており、新城市、田原市、北設楽郡3町村はゼロだ。人口・企業比とおおむね均衡している蒲郡市に対し、期待値が9~10社とされる豊橋市や4~5社とされる豊川市といった市での伸び悩みが、東三河全体の数値を押し下げる要因となっている。
この背景には構造的な問題が存在する。第一に、DX認定の取得比率が高い大企業やIT・情報通信業、サービス業の「本社機能」が名古屋都市圏に集中している点が挙げられる。第二に、自動車関連や金属加工などの優れた中小製造業や農林業が集積する東三河では、既存のサプライチェーン内での取引が安定している場合、対外的な信用獲得や広報を目的とした認定取得へのインセンティブが働きにくい状況にある。さらに第三に、申請には自社ウェブサイトなどでの戦略・体制の社外公開やサイバーセキュリティー対策、人材育成方針の明文化が必要とされるため、専任部門を置きにくい地方中小企業にとって申請事務の負担が参入障壁となっている。
DX認定は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)のポータルサイトを通じてオンラインで申請し、経済産業相から認定を受けることで社会的信用の向上や税制・金融面での支援措置、上位表彰である「DX銘柄」への応募要件といったメリットが得られる制度だ。地域経済の持続的な発展に向け、地方中小企業に対する申請支援や制度認知の普及が今後の課題とされる。
◇
東三河の認定企業は以下の通り。(順不同)
【豊橋市】サーラビジネスソリューションズ(情報通信業)▽ジュトク(製造業)▽神谷薬品(卸売業、小売業)▽あじわい亭(宿泊業、飲食サービス業)▽ネットコム(情報通信業)
【豊川市】シンメー(医療、福祉)
【蒲郡市】蒲郡信用金庫(金融業、保険業)▽ニデック(製造業)
購読残数: / 本
1988年生まれ。三重県津市出身。
地元で数年間地域紙の記者を務めた後、某ゲーム会社で企画の仕事などを経験。新型コロナウイルス禍で紆余曲折あって豊橋市で再び地域紙の記者に。地域の人に地域の良いニュースを伝えたい。
趣味は一口に言うとゲーム。著名なタイトルをすべて網羅しているわけではないが、コンシューマーはファミコン時代から「ドラゴンクエスト」などを親しんでいる。ジャンルは問わず、環境としてはオンライン、カード、ボード、テーブルトークなど手広くプレーしている。
好きなものは甘いもの。犬派。写真は実家の猫。