極めて希少で進行の速い「NUTがん」と闘病している私立桜丘高校教諭の岩佐潤さん(46)=休職中=に対し、在校生有志が29日、激励の寄せ書きを手渡した。学園祭で生徒や会場に来た人に書いてもらった。がんは縮小しており、早ければ1月に職場復帰できる可能性があるという。
岩佐さんは3月中旬、鎖骨の上の小さなしこりと長引くせきが気になり、豊橋市民病院の精密検査で「NUTがん」と確定診断された。ステージ3の状態だった。国内で年間数例から十数例しか報告がない極めてまれな悪性腫瘍だ。
放射線治療と抗がん剤治療を併用する標準治療を受け、5月から約6週間入院。その結果、鎖骨付近の腫瘍は縮小した。現在は完全に落ち着いている状態だという。定期的に東京の国立がん研究センターに通い、診察を受けている。
そんな岩佐さんへの寄せ書きを呼び掛けたのは3年生の男子2人、女子3人。女子たちは、SNSで岩佐さんの病気を知り、できることはないかと話し合った。みんなに広めようと、校内放送を考えたり、手紙を書いてもらったりした。
そして学園祭では、それぞれの発表準備の合間を縫って、寄せ書きをしてもらう大きな布や模造紙を準備した。来場した人に次々に声を掛けたところ、数百人から激励のメッセージが集まったという。
岩佐さんは1年生向けの中国語の授業が担当だ。週1回、生徒と向き合う。「先生の授業で寝ていた生徒は一人もいない。それぐらい面白かった」と女子生徒は話した。エピソードとして挙げたのが漢詩「春暁」の暗唱だ。正しく発音できるようになるまで、何度も繰り返したという。「チュン ミエン ブー ジュエ シャオ」と、すらすらと唱えてみせた。
岩佐さんは寄せ書きを手に「みなさんに大きな元気をもらいました」と感謝した。
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1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。