愛知県と名古屋市が国による副首都指定を目指し担当部局を設置 基本計画作成や連携協約締結へ

2026/10/28 00:00(公開)
副首都指定に向けた体制強化について発表した大村知事㊧と広沢市長=県庁で
副首都指定に向けた体制強化について発表した大村知事㊧と広沢市長=県庁で

 大村秀章知事と名古屋市の広沢一郎市長は26日、共同で記者会見し、国による副首都指定を目指してそれぞれが担当部局を11月1日付で設置すると発表した。

 

 県は企画課内に「副首都推進グループ」を設置する。グループは班長(課長補佐級)1人と班員2人の計3人で構成。これに、これまで兼任で副首都に関する業務に当たってきた職員4人と管理職2人を合わせた計9人体制で業務に当たる。

 

 グループでは、副首都の指定に向けて、基本的な計画の作成、名古屋市との連携協約の締結、推進体制の構築などに関する事務を担う。

 

 名古屋市は企画課に副首都を担当する担当課長1人、課長補佐3人を配置し、これに主事5人を加えた計9人体制で取り組んでいく。

 

 大村知事は「県と名古屋市で歩調を合わせて、副首都の指定を目指す」と述べた。広沢市長は「今後は新たな組織体制のもと、県と連携しながら副首都の指定に向け、着実に準備を進めていきたい」とした。

 

    ◇

 

 政府は27日、副首都について、指定要件を定めた政令を閣議決定した。副首都指定とは、首都直下地震などの甚大な災害時に国の統治や経済活動を継続する代替拠点(リダンダンシー)の確保と、東京一極集中の是正を柱とした新たな国土形成政策。政治や経済の過度な集中を緩め、多極分散型の地域経済圏活性化を目指す。今年成立した「副首都法」に基づき策定された政令では、域内に国の総人口の1・2%以上を有する政令指定都市があることや国の出先機関の集積度などが指定要件とされた。

 

 この制度は複数指定を視野に入れており、早期から構想を推進する大阪府のほか、産業や交通の拠点を有する愛知県、同時被災リスクの低い北海道、アジアの玄関口である福岡県が誘致に名乗りを上げている。指定地域には国家戦略特区を上回る規制緩和が適用され、国際金融や高度医療、DXなどの実証実験が進むほか、省庁機能の一部移転や意思決定の迅速化が期待される。

 

 さらに、堅牢なデータセンターや耐震庁舎、空港拡張や交通網といったインフラ整備に手厚い国費が投入される。企業のBCP(事業継続計画)に基づく本社機能移転には固定資産税や法人住民税の減免などの税制優遇が講じられ、民間投資や国際会議(MICE)の誘致を通じて若年層の東京流出を抑える狙いがある。一方で、地元自治体の負担割合や維持コストの確保が今後の実務課題となる。また、行政体制の構築では「政令市の特別区への再編」か「政令市と道府県による連携協約の締結」のいずれかを実行しなければならないとされている。

続きを読む

購読残数: / 本

この記事は登録会員限定です
この記事は有料購読者限定記事です。
別途お申し込みをお勧めします。

安部文晴

 1959年東京都生まれ。山田一晶編集長に声を掛けてもらい、2024年5月に入社した。それまでは別の新聞社に勤務し、名古屋、岐阜、東京などで記者をしていた。事件取材が長かったが、東京では食文化、社会保障といった分野の取材も経験。介護など生活に密着した記事の重要性を実感した。趣味は街歩きと山歩き。東海道五十三次を歩いている。目標は東京―京都間の完歩。テント泊の登山にも憧れているが、三河の低山巡りがメイン。ミステリー、歴史小説を愛読。名古屋支局で愛知県政を担当している。人口減少、地域活性化の課題などを取材しながら、東三河の魅力を発信していきたい。

最新記事

日付で探す