東三河で地域活性化や新たなビジネスの創出に取り組む学生が増えてきている。今回注目するのは、マレーシア出身で豊橋技術科学大学工学部4年のキュー・アイリン(Khew Ai Ling)さん。ビジネスコンテストへの参加や、製造業向けのAIアプリ開発など、技術とビジネスを掛け合わせた幅広い取り組みを通じて成長を遂げた活動を紹介する。
アイリンさんがビジネスの分野に足を踏み入れたきっかけは、高専時代に留学生の友人からアイデアコンテストに誘われたことだった。「参加してみると面白く、いろいろな人に出会えるコネクションの重要性を感じました」と振り返る。その後もさまざまなビジネスコンテストやハッカソンに挑戦し、現在は学生起業プログラム「STAPS」に参加。製造業向けのAIエージェントを安全に管理するアプリ「たこちゃん」の開発に注力している。これは、現場のカメラセンサーなどからの情報をもとにAIがリスクを判断し、人間の承認プロセスを安全に管理するシステムだ。
意欲的に取り組むアイリンさんだが、活動の中では大変なことも多かった。「今回のプロジェクトでは、ビジネスの視点と技術力の両立にとても苦戦しました」と語る。特に難しかったのが企業へのヒアリングだ。学生の立場で企業へアプローチし、現場のリアルなニーズや課題点を聞き出すには高いハードルがあったが、現役の起業家などのメンターからアドバイスを受けながら、実社会での実装に向けて開発を進めてきた。
活動を通じて得られた最も大きな財産は「人との強いコネクション」だという。「イベントを通じて、東北から北海道まで全国の優秀な学生や、第一線で活躍する社会人と出会うことができました。特に、言葉の壁を越えて日本の大企業で活躍している外国人の方との出会いは大きな励みになり、自分の人生の選択肢が広がったと感じています」
アイリンさんの今後の目標は起業することだが、現在はそのための準備期間と位置づけている。最近では、活動を通じて出会ったインキュベーション施設「STATION Ai」に入居するAI系スタートアップでの長期インターンシップへの参加も決まった。「まずはインターンを通じて、実践的な知識や技術をしっかりと学んでいきたいです」と意気込む。
日本に来て5年、中部地方の環境を気に入り、東三河を拠点に活動を続けるアイリンさん。読者に向けて「高校生の皆さんは、たくさんの選択肢がある豊橋技術科学大学にぜひ進学してほしいです。また、地域の企業の経営者は、現在開発中のプロダクトについてぜひお話しする機会をいただければうれしいです」と力強いメッセージを寄せてくれた。彼女の東三河での挑戦は、今後のキャリアへと大きくつながっていくだろう。
事業の問い合わせはフェイスブックへ。
購読残数: / 本
一般社団法人火-Okoshi創業者・株式会社Lirem代表取締役。2000年1月11日生まれ。山口県宇部市出身。2020年3月宇部工業高等専門学校を卒業、同年4月豊橋技術科学大学3年で編入、
在学中の2021年10月にLiremを設立して代表取締役に就任。
現在は燠火事業という地域企業経営者の右腕チームを立ち上げて、新規事業や新規プロジェクトを立ち上げる事業を展開している。