羽田祭で今年も親子三代手筒花火放揚へ 豊橋市花田町の松井さん「最高齢目指す」

2026/09/12 00:00(公開)
羽田祭を前に意気込む松井さん=豊橋市花田町で
羽田祭を前に意気込む松井さん=豊橋市花田町で

 「豊橋三大祭」に数えられる豊橋市花田町の羽田八幡宮の羽田祭(10月3日)が近づいてきた。神社の近くに住む松井研さん(80)は半世紀以上にわたり、手筒花火の奉納を続けてきた。今年も親子三代で同時に神前放揚しようと意気込んでいる。

 

 松井さんが手筒花火を始めたのは、都内の大学に通っていた20代の頃だ。帰省時に責任者不在の地元青年会から頼まれ、青年会長を務めたのが最初の経験だった。幼少期から親しんできた地元の祭りで約60年にわたり手筒花火を揚げ続けている。数年前に息子と孫とともに町内初となる親子三代そろっての神前放揚を果たし、今も続ける。3年前の動画を見ながら「若い頃は太い竹を好みましたが、今では細めにしています」と話した。

 

 長い手筒体験の中には、危険と隣り合わせの記憶もある。20代の頃、松葉公園で3人並んで手筒花火を放揚した際、隣の参加者の手筒が途中で爆発し、吹き飛ばされる事故が発生した。さらにもう一人の手筒も暴発。後見役は「お前のも暴発する。持ち上げるな」といったが、むきになって手筒を構えてみせた。火が噴き出さない危険な状態に陥ったが、やがて炎が吹き出し始め、無事に揚げ切ったという。自ら火薬を仕込む手筒花火の厳しさと安全確保の大切さを身をもって学んだ出来事だった。

 

 「体を動かしていないとおかしくなる」と、現在でもアルバイトとして働くなど、元気に過ごしている。一方で、近年の旧市街地の少子高齢化や空き家の増加には懸念を抱いている。現在、羽田町の奉納者は45人。それも外からの協力者や消防団の助けを得ながら伝統を維持している状況だ。同世代の仲間とともに、最高齢記録の更新を目指す松井さんは「地域の行事が減る中でも、祭りだけは人を集めて途切れさせずに続けていきたい」と、地域の絆をつなぐ手筒花火に情熱を注ぎ続けている。

 

 近く、手筒にする竹の節を抜く作業が始まる予定だ。

3年前の松井家三代による神前放揚で上がった3本の火柱=羽田八幡宮で(提供)
3年前の松井家三代による神前放揚で上がった3本の火柱=羽田八幡宮で(提供)
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山田一晶

1967年三重県生まれ。名古屋大学卒業後、毎日新聞社入社。編集デスク、学生新聞編集長を経て2020年退社。同年東愛知新聞入社、こよなく猫を愛し、地域猫活動の普及のための記事を数多く手掛ける。他に先の大戦に詳しい。遠距離通勤中。

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