町内会の加入者減少 危機感あるが妙案はなく 豊川では講座や議会の一般質問で議論

2026/09/10 00:00(公開)
8月末にあった町内会について考えた講座
8月末にあった町内会について考えた講座

 今、町内会が危機を迎えている。加入世帯の減少が続いており、豊川市では3世帯に1世帯が未加入に。豊川市議会9月定例会の一般質問で取り上げられたほか、存続のために必要なことを考えた市主催の講座が8月末に開かれた。危機感は強いが解決策は見いだせていない。

 

 町内会は、全国各地で加入世帯が減少している。理由はさまざま。共働き世帯が当たり前となり、役員などの負担がこれまで以上に重くなった▽会社員やパートが増え、地域のコミュニティーよりも職場の人間関係の方が大切▽加入しなくてもごみステーションが利用できるので困らない―などの声がある。

 

 市内在住で町内会を辞めたある世帯は「町内会費に加えて、祭りの費用として1万円の負担があった。生活が苦しい中、加入するメリットが見いだせない」と話す。

 

 祭りを巡っては「町内会費の半分以上が、地域の祭りの協力金になっている。今の祭りは好きな人だけが出ているような感じで、その人が自ら負担してやればいい。興味も関心もないのに、なぜその分も負担しなければいけないのか」という声も。

 

 町内会のための補助金があだになっているケースもある。イベントを行うと市から補助金が出るが、補助金をもらうのを目的にイベントを開催する場合もあり「準備には手間も時間もかかり、開催日だけでなく打ち合わせもある。これが負担になっている。町内会を辞めようと思うことがある」と役員をしている人は話す。この役員は「役員を1回やってから、町内の義理は果たしたと辞める人がいる。最近は役員になる前に辞める世帯も」と続ける。

 

 かつては農業を営む人が多く、水路などを協力して整備したり、維持管理したりするケースがあった。このような状況なら、地域のコミュニティーが大切で、互いが仲良くなる場でもある祭りも開催されてきた。その延長線上に今の町内会があり、現在まで続いてきた。一方でサラリーマン家庭が増え、地域が協力して何かを行うことの必要性は薄れている。しいて言えば、協力が本当の意味で必要なのは災害時のみだ。

 

 存続するために大胆な提言をする人もいる。「防災とごみステーションの管理に特化すればいいのでは」という意見だ。年に一度、防災訓練を行い、備蓄品を入れ替える。ごみステーションを管理する。それ以外をしなければ役員の負担も減り、存続が可能だとする。

 

 豊川市でみると、2010年頃は加入世帯が80%を超えていたが、年々減少し、21年には70%を下回り、今年度は64・65%まで減った。加入率が50%を切る町内会もある。何もしなければ、今後も減少が続く可能性が高い。

 

 8月末の講座では「町内会がなくなれば、本当に困った時に、困ることになる。その一つが災害だ」という意見があった。一方で日々の暮らしが精いっぱいで「本当に困った時に困るのはその通りだが、今、すでに生活が貧窮して困っている。町内会に入っていれば助けてくれるのか」という声もある。

 

 隣人との関係性も昭和から令和に時代が移り、大きく変わっている。「町内会も大きく変わらなければ、存続は難しい」と多くの人が話したものの、妙案はまだない。

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竹下貴信

1973年生まれ、豊川市出身。建設業界に勤務後、96年に入社。2022年から豊川市を担当している。趣味は美術館巡り。ポッドキャストでラジオを聞くのも好きで、さまざまな番組を楽しんでいる。

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