生まれ変わる決意と覚悟

2016/10/01 00:00(公開)
 「決意と覚悟がなければ変われない。 変わらなければ決意も覚悟も生まれない」―。ハードボイルド小説のタフな主人公の台詞(せりふ)のようで恐縮しますが、私たち東愛知新聞は生まれ変わろうとしています。
 一つの試みとして本日付から題字のデザインを変え、従来の1㌻15段組から、12段組1行11字の紙面に刷新しました。お読みいただいているこの紙面がそれです。
 もちろん、今回のこの改革は単に体裁に過ぎません。十分認識しています。でも「まず変わらなければ変えられない」のです。
 東愛知新聞の社是は「真実、公正、正義」です。いささかもゆるがせにできないものです。
 しかし、昨年来からの私たちは、社是に恥じない行動を取ってきたのか。自らに問いかければ、正直、力なく首を振るしかありません。だからこそ、今、変わることが求められていると思うのです。
 東愛知新聞は来年11月に創刊60周年を迎えます。刻み続けたこの歴史は、明治32年に発刊され、「豊橋初の日刊紙」となった「参陽新報」に連なり、地域の先輩新聞人たちが追い求めた自由な言論による活力ある地域づくりの志を引き継いでいるものと自負しています。
 それゆえの生まれ変わりです。
 私は今年4月、社長就任の「ごあいさつ」としてこう書きました。
 〈地域の「公」としての新聞を進展させる責務を改めて自覚したいと思います…自己を律する厳しい倫理観と高い理想を掲げ、自由な気風あふれる地域社会と豊かな経済、そして息づく伝統文化を守るためにスタンダード(基準的)な考え・姿勢を示す公器としての郷土紙を維持してまいります〉と。今も「志はあくまで高く」と決意しています。
 世界は、また日本は政治・経済、社会のありようが激しく変化しようとしています。中央と地方の関係、地方のあり方が大きく変容するはずです。そうした中で地方メディアが果たすべき責務は重く、大きくなることは必至です。そうした責務をしっかり受け止めていく覚悟です。
 〈そのニュースが、真に社会正義に基づく報道なのか。興味本位のものなのか、さらには、隠された意図を背景にしたものなのか …。それを冷静に、良識をもって判断できる市民の存在こそが、公正でバランスの取れたメディアの発達のための土壌となるでしょう〉(ラリー・ヒックマン米南イリノイ大学教授)
 メディアとしての責務を果たせば読者という強い味方から何ものにも代えがたい勇気をいただけることを確信しています。
 再生の決意と覚悟を新たにしています。歴史と文化、豊かな自然に恵まれた東三河で生きようとする郷土紙に対し、読者をはじめ行政、また地元企業の皆さまのご理解とご支援をお願いする次第です。(代表取締役 本多亮)
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