2020年東京五輪・パラリンピックの海外選手団の受け入れを目指し、豊橋市が誘致活動を進めている。豊橋といずれも縁のあるドイツ、リトアニアの欧州2カ国の選手団だ。
同市は、豊橋の知名度向上、スポーツ交流の促進などにつながるため誘致活動を積極的に展開。今年6月には、政府からドイツ、リトアニアの「ホストタウン」に登録されている。
ホストタウンは、参加する国や地域の選手らと地域住民の交流を促進する自治体で、施設改修や催しの開催などで国から財政面で支援が受けられる。
ドイツとは、フォルクスワーゲンアウディ日本の本社が進出したことを契機に豊橋日独協会が1991(平成3)年に設立され、民間を中心にした交流が続く。2005年の愛・地球博(愛知万博)フレンドシップ事業でも交流を持った。市は、強豪のフェンシングなどの事前合宿誘致を目指している。
一方、リトアニアは、同フレンドシップ事業で始まった交流が継続しており、水泳などの事前合宿受け入れを目指す。
11月下旬、豊橋日独協会創立25周年記念式典に出席したドイツのヴェルナー・ケーラー大阪・神戸ドイツ総領事夫妻を、市西部に集まる市総合体育館などのスポーツ施設や市民病院、宿泊施設(ホテル)を案内、PRした。
リトアニアの五輪関係者も4月、豊橋を視察。その際、この総合体育館、水泳などができるアクアリーナ豊橋、リハビリ施設のある市民病院、ホテルが近距離にあることを絶賛した。
「練習」「健康」「食事・宿泊」の環境が身近で整っている点を担当する市シティブローモーション課も“強み”として強調する。
期待が高まるものの、他の全国の自治体も誘致活動を活発に実施している。
2020年東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会は8月、各国、地域に事前合宿地を紹介するオンラインガイドを作成し、インターネット上で公開。公開時点で、豊橋市の総合体育館と陸上競技場を含む全国の300近い施設が掲載されている。
日本の真ん中に位置し、東京からもほど遠くない豊橋の立地面のほか、練習や健康面の環境が整っている点や、これまでの交流などをセールスポイントに、いかに豊橋の存在をアピールするかが誘致のかぎを握りそうだ。
(中村晋也)