豊橋市中央図書館で拓本資料整理報告会

2017/01/22 00:00(公開)
豊田珍比古氏について解説する豊田顧問=豊橋市中央図書館で
 豊橋市の郷土史家・豊田珍比古氏(1882―1965)が生前採拓・所蔵していた700枚を超える戦前の拓本についての調査をまとめた「整理報告会」が21日、同市中央図書館で開かれた。関心のある市民約30人が報告に耳を傾けた。
 豊田氏は長年、考古学や歴史郷土史の研究に打ち込み、古墳調査員や豊橋市史編纂委員長などとしても活躍した。養嗣子・豊田俊充氏が故人の遺志に基づき同館に拓本を寄付したことから、同館で活動する古文書勉強会会員や公募で集まった市民らで拓本整理ボランティアを立ち上げ、分類・記録などの整理作業を2年掛けて進めてきた。
 作業はほぼ終了し、現在、その一部を同館2階で「豊橋市図書館所蔵拓本資料展―豊田珍比古氏旧蔵資料」(2月5日まで)として展示している。
 報告会では同整理ボランティアの3人が発表。顧問を務める遺族の俊充氏が「豊田珍比古旧蔵資料について」と題して、豊田氏の経歴や拓本発見のいきさつ、故人の郷土研究にかける思いなどを紹介。続いて小池保利前代表が「拓本資料の魅力」として拓本全般について説明。最後に、尾嵜信之代表が「拓本資料整理所感」として、整理作業のまとめをパワーポイントを使って発表。現物が焼失・消失したものなどについて歴史的な背景も添えながら貴重な資料の数々について説明した。
 同館では、3月をメドに市民に販売可能な拓本資料集を作るほか、4月以降には研究のための閲覧を可能にしていきたいとしている。
(田中博子)
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