ヒストリア・豊川の宮路山ふもとに義経ゆかりの石2つ

2017/02/10 00:00(公開)
中央の穴から猿が出てきたと言い伝えられる「猿岩」=宮路山で
 豊川市の宮路山のふもとに、牛若丸こと源義経にまつわる2つの石がある。「腰掛け石」と「猿岩」には、義経に恋した一人の女性のラブストーリーが語り継がれている。
 世は平安時代が終わり、源氏による鎌倉時代の幕開け。平家打倒の立役者となった義経は兄・頼朝と対立し、追われる身となっていた。
 「新版・豊川の歴史散歩」によると、義経は藤原秀衡を頼って奥州平泉(現在の岩手県)に向かう途中、岡崎の矢作宿で長者の宿に泊まった。ここで、義経は長者の娘・浄瑠璃姫と恋に落ちた。旅路を急いでいた義経は愛用していた笛を姫に託し、「必ず戻って来る」と言って夜明けに旅立った。
 姫は義経の後を追い、宮路山付近の長沢の地までやって来たが、追いつくことはできず、石に腰を下ろして途方に暮れた。これが、長沢町小土井の湧き水「小渡井の枡井戸」の迎えにある「腰掛け石」と言い伝えられる。
 姫はさらに宮路山中へ進むと、中央に穴が開いた巨大な岩の前まで来た時、穴から一匹の猿が出てきて、「もう、あきらめなさい」と言われた。これが「猿岩」だ。姫は泣きながら、矢作宿に引き返したという。
 現在の腰掛け石付近には枯れ木やごみが散らかり、猿岩にも案内板などはない。歴史秘話が残る2つの石を保存・周知する取り組みも求められる。
(由本裕貴)
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